こんにちは、たねやつです。前回記事から少し間が空いてしましました。
このアプリについて若干方針を変更します。といってもすでに作成したソースを変更することはありません。 (一部使われなくなるデータベースのカラムが存在するようになってしまいますが。。)
もともとの構想では[一覧画面] > 画面下の登録ボタンを押すと登録画面に遷移 > [登録]
という風にしようとしていましたが、
よりシンプルに[一覧画面] > 一覧画面下部に固定している入力項目と登録ボタンから登録
という感じにします。これにより重要フラグなどの項目を(現段階では)いじることができなくなり、固定値を登録するようにします。
前の記事
データベースについて
基本的なCRUD操作について前の記事で触れましたが、今回の記事でも登場します。コピペで動作するようになっていますので「よくわからなかった」という状態でもOKです( 一一)
目標
- 登録処理を作成する
- ボタン押下時の処理を追加する
- INSERT文を実行する
- SQLについて理解を深める
- 非同期処理、Promiseについて理解を深める
コーディング
一覧画面に入力項目を追加する
まずは入力フォームと登録ボタンを追加します。追加する場所は画面下部固定が一番使いやすいと思われるので、そこに追加します。
HTMLでスクロールしても画面下部に張り付くような要素を作成しようとすると結構めんどくさいのですが、OnsenUIではons-bottom-toolbar
という要素が用意されており簡単に実装することができます。
結構前の記事で作成したlist.html
のソースを変更します。以下のようにしてください。ons-list
要素内にヘッダーとかの要素があった場合もとりあえず削除してください。(あっても問題ないですが)
<ons-page id="list.html"> <ons-toolbar> <div class="left"></div> <div class="center">TODO LIST</div> <div class="right"></div> </ons-toolbar> <ons-list id="list"> </ons-list> <ons-bottom-toolbar> <!-- 入力部 --> <ons-input id="input-title" class="input-title" placeholder="What to do?" underline="false"></ons-input> <!-- 登録ボタン --> <ons-button id="register-button" modifier="quiet"> <ons-icon icon="fa-check"></ons-icon> </ons-button> </ons-bottom-toolbar> </ons-page>
index.css
の末尾にも追加します。
/* 入力項目 */ ons-bottom-toolbar { height: 3em !important; text-align: center; } /* 入力項目 */ .input-title { margin-top: 4%; width: 85%; }
これで以下のような感じの画面になります。
<ons-icon icon="fa-check">
の部分を変更するとボタン部分のアイコンを変更できます。また、modifier="quiet"
を削除すると普通のボタンのような見た目になります。
登録ボタン押下時の処理
ボタン押下時の処理を追加します。既に過去に一覧を動的に作成する処理をここに記述していますが、とりあえず一旦全部コメントアウトしておいてください。ソースを全選択した状態でCtrl + /
で全コメントアウトできます。動的に一覧を作成する処理は後々使いまわします。
以下のように処理を書き換えます。
var js_list = { /** * ページ表示時の処理 */ init : function(page) { // 登録ボタンに処理を追加 var elem_reg_btn = document.getElementById('register-button'); elem_reg_btn.addEventListener('click', this.onClickRegisterButton.bind(this), false); }, /** * 登録ボタン押下時の処理 */ onClickRegisterButton : function() { console.log('register button clicked'); }, }
onClickRegisterButton
関数内に登録時の処理を追加していきます。関数内でも親のthis(js_list
)を参照したいので関数に.bind(this)
をつけてあげてください。
入力値の取得
入力項目に入力した文字列を取得するには、<ons-input>
のvalue
というキーを参照すると取得することができます。
ですので、onClickRegisterButton
を以下のようにして入力値を取得します。
/** * 登録ボタン押下時の処理 */ onClickRegisterButton : function() { var values = {}; // 入力値格納用 // 入力値の取得 var elem_input = document.getElementById('input-title'); values.title = elem_input.value; },
これでtitle
という変数に入力した文字列が代入されました。デバッグ分などで確認したい場合には、
/** * 登録ボタン押下時の処理 */ onClickRegisterButton : function() { var values = {}; // 入力値格納用 // 入力値の取得 var elem_input = document.getElementById('input-title'); values.title = elem_input.value; console.log(values); },
とすることでデバッグコンソールにvalues
が保持している値が表示されます。指定している変数が配列やオブジェクトの場合でもVSCodeではいい感じにデバッグコンソールに表示してくれます。ステップ実行でも値を確認することができますが、これでも手軽に確認することができます。
エラーチェック
何も入力しないまま登録ボタンを押した時のエラーチェックを追加します。
onClickRegisterButton
の内容に少し追加、新たにエラーチェック用の関数などを追加します。
/** * 登録ボタン押下時の処理 */ onClickRegisterButton : function() { // 省略... // エラーが発生している場合、以降の処理を行わない if (!this.checkError(values)) return; }, /** * エラーチェックを行います。 * @param {Object} values 入力値 * @returns {boolean} エラーがあればfalse */ checkError : function(values) { if (values == {}) { this.dispNoTitlePopup('入力値を正しく取得できません。'); return false; } // 入力値のチェック if (values.title == null || values.title == '') { // 値が取得できない OR 空の場合エラー this.dispNoTitlePopup('タイトルを入力してください。'); return false; } return true; }, /** * タイトルなしのポップアップを表示します。 * @param {String} message メッセージ部分に表示する内容 */ dispNoTitlePopup : function(message) { ons.notification.alert({ title: '', message: message }) }
values
に格納した値をエラーチェック用の関数に渡してチェックしています。値の取得とチェックを別関数に分ける場合にはこのようにオブジェクトに格納して一つの変数として渡してしまうのがすっきりしているかと思います。(今回はtitle
というキー1つなので冗長かもしれませんが)
checkError()
では入力項目の値を取得できているかどうか、空かどうかのチェックをしています。
ただ、この状態では半角/全角スペースのみの入力の場合にすり抜けて登録できていします。今回はそこまで考慮する気はないですが、実装する場合には正規表現を駆使してスペースをヒットさせる必要があります。
http://blog.livedoor.jp/time_reap/archives/51453621.html
checkError()
内で、dispNoTitlePopup()
という関数を使用していますが、これはons.notification.alert()
をタイトル無しで表示させるためのラッパーです。
毎回、
ons.notification.alert({ title: '', message: 'メッセージです。' });
と記述するのが面倒なため作成しています。より大きな規模のアプリであれば、汎用部品として切り分けてError
,Warning
,Success
,タイトルなし
といくつか作成しておくといいかもしれません。
簡易ですが入力値のエラーチェックは以上です。
初期テーブルの作成
次にデータを格納しておくためのデータベース、およびテーブルの初期化を行います。ローカルDBについていろいろやりましたが基本は同じです。テーブル項目は入力項目に合うように変更しましょう。
CREATE TABLE IF NOT EXISTS todo ( id INTEGER PRIMARY KEY, -- ID(主キー) valid TEXT NOT NULL, -- 有効フラグ title TEXT NOT NULL, -- タイトル date TEXT NOT NULL -- 登録日時 );
方針変更でもともとはもっとカラムを持っているはずでしたが極力シンプルにしました。
テーブルの作成は、アプリ起動時の一回だけでいいのでアプリの起動が完了したイベント発生時にCREATE TABLEするようにします。
index.js
の処理を以下のようにします。
// アプリ起動時に一度のみ実行 document.addEventListener('deviceready', function(event) { createTable(); }); // 各ページの初期表示 document.addEventListener('init', function(event) { // ... そのまま残しておく }); /** * テーブルを作成します。 */ function createTable() { var db = null; // DBコネクション保持用 // DBコネクションを取得 db = window.sqlitePlugin.openDatabase({ name : 'todolist.db', location : 'default', }); var sql = { create_table : "CREATE TABLE IF NOT EXISTS todo ( " + " id INTEGER PRIMARY KEY," // ID + " valid TEXT NOT NULL," // 有効フラグ + " title TEXT NOT NULL," // タイトル + " date TEXT NOT NULL" // 登録日時 + ")", drop_table : "DROP TABLE IF EXISTS todo", } // SQL実行 db.transaction(function(tx) { // 実行部分 tx.executeSql(sql.create_table); }, function(error) { // SQL処理エラー発生時の処理 console.log('テーブル初期化失敗 : ' + error.message); }, function() { // SQL処理成功時 console.log('テーブル初期化成功'); }); }
何かあったときにすぐにDROP TABLE
できるようにテーブル削除用のSQLもとりあえず書いておきました。
deviceready
イベントはアプリの読み込みが完了して準備OK!となったときに発火するイベントのようです。アプリ起動時に1度だけ発生するので、データベースの初期化なんかにちょうどいいですね。
init
イベント内に入れてもいいのですが、ページ遷移(ページのIDが変わるたび)に実行されてしまいます。テーブルが存在していないときだけCREATE TABLEを実行するようになっているので無害ですが、冗長ですね。
基本的にはSQLが間違っていない限り、もしくはよほどローカルストレージがかつかつでない限りCREATE TABLEは成功すると思います。念入りにアプリ内で失敗を検知したい場合は、エラー発生時の処理にポップアップでの表示を追加してもいいかもしれません。
アプリを起動してみて、デバッグコンソールにテーブル初期化成功が表示されていれば成功です。
INSERT処理
データの登録を行います。今回は特にエラーチェックを設けていないので値が取得できていればそのままINSERT文を実行するようにします。
もしデータのチェック(文字の長さ制限、特定の文字列を含んでいる場合にエラーとしたいなど)を行うのであれば、INSERT文を実行する前に行う必要があります。
onClickRegisterButton
の関数に以下の処理を追加、他関数を追加します。
/** * 登録ボタン押下時の処理 */ onClickRegisterButton : function() { // 省略... // INSERT処理を実行 this.execInsertSql(values) .then(function() { // 成功時 this.dispNoTitlePopup('登録しました!'); elem_input.value = ''; }.bind(this)) .catch(function() { // 失敗時 this.dispNoTitlePopup('登録に失敗しました...'); }.bind(this)); }, /** * INSERT文を実行します。 * @param {Object} values 入力値 */ execInsertSql : function(values) { // INSERT文の実行 return new Promise(function(resolve, reject) { db.transaction(function(tx) { // INSERT文 var insert_sql = 'INSERT INTO todo (valid, title, date)' + 'VALUES (1,?,CURRENT_TIMESTAMP)'; var insert_val = [values.title]; tx.executeSql(insert_sql, insert_val); }, function(error) { // INSERT失敗時 console.log('INSERTに失敗しました : ' + error.message); reject(); }, function() { // INSERT成功時 console.log('INSERTに成功しました'); resolve(); }); }); },
以前作成したSQLの実行分とほぼ同じで、成功したときにresolve()
, 失敗したときにreject()
を行いPromise型の値を返す関数です。
Promiseや非同期処理に関しては、以下のページを参考にしてください!
データベース操作はスマホ内のファイルへのIN/OUTが発生するために、非同期処理(一旦処理が完了するのを待ってから次の処理)にしてあげる必要があります。JavaScriptではこういった処理が発生したときには、処理の完了を待たずに次の処理を進めてしまため、このように書く必要があります。
時間のかかる処理が完了したときに、再び値を取りに来る約束(promise)をするという感じだそうです。
実行しているSQL文は、
INSERT INTO todo (valid, title, date) VALUES (1,[入力値]タイトル,CURRENT_TIMESTAMP)
です。valid
カラムは登録されて削除(完了)していないデータには1
、そうでないデータには0
が入ります(論理削除)。主キーであるid
は指定しなければSQLiteの場合は自動で連番を振ってくれるようです。
INSERT文を実行して成功している場合は、成功時のポップアップと入力項目の初期化(elem_input.value = '';
)を行います。失敗時には失敗のポップアップをとりあえず表示させておきます。
これで登録ボタンを押したときのエラーチェックと登録処理、後処理が完了しました! コードにエラーが発生していないことを確認してから仮想端末を起動して動作を確認してみましょう!
入力項目がからの状態で登録ボタンを押して、エラーのポップアップが表示されることや、何か入力して登録ボタンを押して、成功のポップアップが表示されること、入力項目がクリアされることなどを確認してください。
ポップアップが正常に表示されない、入力項目がクリアされないなどの問題がある場合は、コードのステップ実行や変数のインスペクションを駆使してバグとりを進めましょう。プログラム作ってる感が出てきましたね(笑)
この記事が参考になるかと思います。
あるいは、例外が発生している箇所を特定して修正する方法もあります。JavaScriptでは例外が発生すると以降のコードは実行されない、かつデバッグコンソールに必ず表示されるわけでもないので発見が難しい場合があります。
VSCodeでは例外が発生したときに処理を一時中断してステップ実行状態にする方法があります。
上の記事中の赤丸②の部分にすべての例外(All Exceptions)
とあるのでそこにチェックを入れて実行すると例外発生場所をキャッチできます。
これで登録処理に関して完了です。お疲れ様です。 ^^) _旦~~
最後に
SQLの実行や非同期処理の実装などちょっとややこしい部分も出てきましたがいかがでしたでしょうか?
一番難しい部分はこれで完了なのであとは今回ほど難しくない(はず)です(笑) 一覧で表示する処理もすでに作成済みなので安心ですね!
今回登録した値が見えないまま終わってしまってヤキモキするかもしれませんが、次の記事で登録した値の取得と表示を行います。その次の記事ではTODOの削除機能となる予定です。
次の記事
登録したデータを表示させる