たねやつの木

Photographs, Keyboards and Programming

VORON 2.4 R2 ビルドログ (22 - 初期セットアップ)

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、VORONを動かせる状態になったのでモーターやエンドストップの初期チェックを行っていきます。いよいよVORONが動きます!

前の記事

前回の記事ではファームウェアやネットワーク関連の作業を行いました。

とりあえずアップデートを実行する

とりあえず面倒なことにならないうちにKlipperやその他ソフトウェアのアップデートを行っておきます。本格的に使い始めたあとではアップデートをして動かなくなったりしたら面倒なので。

MACHINEタブ内に各種ソフトウェアのアップデートを管理するパネルがあるのでそこをチェックします。

一度稼働し始めたら、大型アップデートや気になる修正・追加、脆弱性対応が来た時以外は基本的にはアップデートしないほうがいいです。もしくはSDカードをまるごとバックアップして別のSDカード内の環境でお試しアップデートしてみて問題がなければ本番環境にGOというような感じで。

自分の環境はすでにこんな感じにえらいことになっていますがとりあえず放置してます。

参考文書

参考にする文書はVORONのWEB上の文書となります。ここから最初の印刷が完了するまでは基本的にWEB上の文書を参考とします。

ヒーターの動作チェック

最初にベッドとホットエンドのヒーターが誤動作していないかチェックします。

Verify Temperature

ヒートベッドの温度がおおよそ室温程度になっているかチェックします。

Verify Heater

ホットエンドの温度がおおよそ室温程度になってるかチェックし、50℃まで加熱してみます。ホットエンドの温度を上げるにはKlipper画面のDASHBOARDから50と入力してエンターを押します。ホットエンドの加熱が始まるとホットエンド用のクーリングファンが回転し始めることもチェックしてください。音でわかるかと思いますがStealthBurnerの下の方のファンです。

サーミスタ(温度計)が接続されていない、または断線などでうまく値を取得できない場合はそもそもKlipperが起動せず緊急停止の状態となり、ホットエンドのファンが最高速で回転して温度を下げようとしてくれます。

50℃まで上昇したことを画面上で確認し、一応手をホットエンドに近づけて物理的にも確認しておきます。加熱を止めるには0と入力してエンターを押します。おそらくホットエンドファンが停止すると思います。これはprinter.cfgの設定値で何度以上でファンを回すという設定があるためです。

同じ作業をベッド側でも試します。

どちらも最終的には室温程度まで戻ることをチェックできたら完了です。

モーターのチェック

次にモーターのチェックです。モーターを1mmだけ前後に回転させるコマンドがあるのでそれを使用して各モーターが動くか、正しい配線になっているかをチェックします。

XYガントリを真ん中ぐらいにしてある程度水平を取っておく

作業前に少しとはいえ一応モーターを動かすので、ある程度ガントリーが上下どこにもぶつからない場所に動かします。まだモーターの動作チェックをしていないので手で動かします。

各Z軸

(from https://docs.vorondesign.com/build/startup/)

各種モーターの追番などは上記のとおりです。左手前から時計回りに0ー3となっています。

Klipper画面のCONSOLEタブ、もしくはDASHBOARDの同様のパネルからコマンドを実行することができます。以下のコマンドを実行するとstepper_z(左手前)のモーターが小刻みに動きます。

STEPPER_BUZZ STEPPER=stepper_z

モーターが動いているかどうかは目視で確認します。ぜんぜん違うモーターが動いている場合は配線が間違っているのでOctopus Proに刺さっているZモーターの配線を再度チェックします。

同様の作業をstepper_zstepper_z1から順に変更してすべてのZ軸が正しい位置にセットされていることをチェックできたら完了です。

A/Bモーター

XY軸用のモーターも同様にSTEPPER_BUZZコマンドを利用してチェックします。

STEPPER_BUZZ STEPPER=stepper_x
STEPPER_BUZZ STEPPER=stepper_y

それぞれ想定と逆のモーターが動く場合、Octopus Proに接続しているコネクターが間違っているので修正します。

エクストルーダー

モーター類最後はフィラメントを押し出したりする部分のモーターです。フィラメントを固定するレバーを開けてチェックします。

STEPPER_BUZZ STEPPER=extruder

エンドストップのチェック

次にエンドストップスイッチの動作チェックです。MACHINEタブ内のエンドストップ用パネルを使用します。

パネル内の更新ボタンを押すと現在のエンドストップスイッチの状態を取得できます。OPENと表示されている場合はスイッチが押されていない状態でTRIGGEREDが押されている状態ですので、現状すべてOPENとなっているはずです。

まずは手で押して見る

実際にモーター駆動させてチェックするのはまだ危険なので、とりあえず各スイッチを手で押してチェックします。StealthBurnerの右下につけたYエンドストップのスイッチを押し他状態でさっきの更新ボタンを押すとTRIGGEREDとなるはずです。もしならない場合は配線とprinter.cfgの設定を再チェックします。

もし、押していない状態のときにTRIGGEREDとなり押すとOPENになる場合はprinter.cfgの設定で逆転させることで正常になります。

[stepper_y]
...
endstop_pin: PG9           # Limit switch PIN pin setting(Y-)
↓
endstop_pin: !PG9           # Limit switch PIN pin setting(Y-)

値の頭に!をつけることで反転させることができます。保存してファームウェア再起動し、再度チェックして問題ないことを確かめます。

同じ作業をXYガントリー右奥のXエンドストップでも行います。

ZエンドストップとPROBEはTAPの場合同一

Zエンドストップは今回TAPを使用しているのツールヘッド自体がZエンドストップとなります。ツールヘッド本体を持ち上げた状態にすると背面にあるLEDがの色が変わります。その状態で更新ボタンを押すとTRIGGEREDと表示されるはずです。これも逆となっている場合は上記の手順で修正します。[probe]下にあるpinが対象です。

PROBEという方に関してはTAPの場合はZエンドストップと兼用なので無視してOKです。

ツールヘッドを手で動かしてチェック

手でスイッチを動かしてXYZのエンドストップがTRIGGEREDとなることがチェックできたら次にツールヘッドを実際にVORON本体に手で動かして当ててみてTRIGGEREDとなることをチェックします。何かしらの要因(配線が邪魔、スイッチよりも別の箇所が先に当たる等)が原因でスイッチが押せないことがあるかもしれないので念のためチェックです。)

XYホーミングのチェック(モーター回転方向)

エンドストップがすべて問題なければいよいよモーターを駆動させてツールヘッドを動かします。

緊急停止の準備

これから行う作業はツールヘッドが想定外の動きをする可能性大なので緊急停止ボタンをいつでも押せるようにしておきます。Klipper画面右上のマークの赤いボタンです。

このボタンを押すと印刷途中等いかなる状態でも動作と加熱を中止してヒーターファンが最高速で回ります。緊急停止ボタンを押す方が好ましいですが、作業しにくいという場合はVORON本体の電源スイッチでもOKですがSDカードのデータが破損する可能性があります(ドキュメントでもnuclear option(最後の最後の手段)として書かれてます...)。

試しに1回押してみると赤いエラー画面となるので、Firmware Restartを押して再度起動します。想定外の異音やノズルが調整不足でベッドに衝突した際に使ったりします。

コマンドの実行

以下のコマンドを実行するとX軸のホーミング、Y軸のホーミングを順に行います。実行する前にprinter.cfgの設定次第でX軸のエンドストップのない方向(左方向)、Y軸のエンドストップのない方向(手前)に移動する場合がありますので、ツールヘッドとガントリーを真ん中に手で移動させておきます。

G28 X
G28 Y

もしエンドストップのない方向に移動し始めた場合、すぐに緊急停止ボタンを押して処理を停止してください。そのまま放置してフレームに衝突するとツールヘッドやモーター、ベルトの損傷に繋がりますので...

正しい方向に進み、エンドストップが当たった場合移動が終了し、少しマイナス方向に動きそこを軸の最大値として使用されます。

XYの移動方向にしたがってprinter.cfgを変更

XY軸両方問題なく正しい方向に進んだ場合はOKですが、逆方向に進んだ場合は上の画像に従ってABモーターのピン方向をエンドストップ同様変更する必要があります。

例えばX軸をホーミングした際にY軸が奥側に、Y軸をホーミングした際にX軸が右側に進んだ場合(上の左から2番目の状態)、Aモーターのピンに!を追加すると直ります。下に示されているような動きをした場合はモーターの配線が逆なので配線を入れ替えます。この時必ずVORONの電源を切って作業してください。

再度チェックして問題がなければXYのホーミングとエンドストップのチェックは完了です。

XYZのホーミングのチェック

Z軸も含めたホーミングをするのですが、その前にビルドプレートを忘れずに設置してください。

DASHBOARD画面の🏠マークのボタンを押すとXYZ軸すべてのホーミングを行うことができます。これも緊急停止を備えながら実行してみてください。先程のようにXYのホーミングをしたあと真ん中に移動してツールヘッドがベッドに接触し、TAPによりZエンドストップが押されてホーミングが終了します。

ホーミングが終了すると🏠ボタンが青くなりKlipper上から各軸の操作ができるようになります。

XY原点のチェック

左下にツールヘッドを移動

次にベッドの原点を指定するのですが、現在ホーミングが完了している状態なのKlipper上から移動させてXYがそれぞれ0の地点まで移動します。

移動できたら少しずつZ軸を下げてベッドに当たる直前ぐらいにします。このときにベッドの端から1mm以内のベッド内にノズル先端が収まっているのであればOKです。

ベッド外に出てしまっている場合はprinter.cfgposition_maxの値を調整します。350mmベッドで大幅にズレている場合は250mmベッド等のままになっているかもしれません。

PROBE_ACCURACY

TAPの精度をチェックします。再度🏠ボタンを押してツールヘッドをベッドの真ん中に移動します。コマンドからPROBE_ACCURACYを実行するとその場で10回TAP動作が行われます。このときにコンソールにログが表示されますが、z=の値が徐々に少なくなっていくこととstandard diviation(標準偏差)が0.003以下に収まっていることをチェックします。

もしこの値がおかしい場合はTAPの組付けが悪い(各部のボルト締めが緩いリニアレールがちゃんと固定できてない、潤滑が足りない等)可能性があります。ココの値のバラツキが大きいままだと後述のベッドレベリングやオフセット調整を行ってもうまく印刷できない可能性大となります。そもそもベッドレベリングが完了できないかもしれませんので一旦QGLまで進めてみてください。ドキュメントによると正確に組み上げられた場合は0.0008以下になるようです。

PIDチューニング

ヒーターの調整を行います。

ベッド

再度すべての軸をホーミングしてZ軸をベッドから5mmぐらいの高さにします。以下のコマンドを実行してヒーターの加熱具合の調整を行います。

PID_CALIBRATE HEATER=heater_bed TARGET=100

実行するとヒートベッドが100℃まで上昇し、±10℃位を行ったり来たりしながら10分間調整します。100℃に上がるまで結構時間がかかりますが辛抱強く待ちましょう。ABS印刷するときは最初にこれぐらいまでベッド温度を上げるのでなんとなく印刷前にかかる時間がイメージできますね。

完了したら加熱状態が解除されるのでSAVE_CONFIGコマンドを実行して計測値をprinter.cfgに保存します。

ホットエンド

同じ作業をホットエンドでも行います。M106 S64でパーツクーリングファンを25%のスピードで回しながら

PID_CALIBRATE HEATER=extruder TARGET=245

を実行します。これもABSを印刷する時程度の温度ですね。5分続きますので完了したらSAVE_CONFIGコマンドを実行して計測値をprinter.cfgに保存します。M106 S0でファンを停止します。

QGL(ベッドレベリング)

QGL(Quad Gantry Leveling)という動作を行ってXYガントリーの水平を取ります。VORON2.4では各Z軸が独立しているのでそれぞれを同じ高さに揃える事によってプラットフォームの水平を取るのと同じ動作をしています。

手で水平になるまで揃える

作業前にまずガントリーの水平を手動で揃えておきます。ミリ単位の厳密性はいらないですがおおよそ揃えておかないとQGL実行にズレが大きすぎて修正できなかったり、ビルドプレートを引っ掻く可能性があります。

実行

QGLの実行はホーミングの🏠ボタンの横にあるQGLボタンを押すと実行されます。QGLを実行するためにはホーミングが完了している必要があります。

実行するとZ0軸から時計回りに3回ずつPROBE_ACCURACYと同じような動作を行い高さを図ります。Z4まで完了すると水平を調整して再度PROBEし始めます。これが規定回数に到達するか規定範囲内(samples_tolerance)に収まるまで実行されます。規定回数に到達しても範囲内に収まらない場合はQGL失敗となります。TAPの組付け精度如何では失敗するかもしれませんが2−3度繰り返してみてください。

z_offsetの調整(重要)

印刷時にノズルとビルドプレートとの隙間を設定します。この設定がかなり重要でビルドプレートとの密着性や造形精度、表面の綺麗さに大きく関わってきます。

暖気を行う

精度を上げるためにVORON本体を実際の使用時まで温度を上げて熱膨張などを考慮した上で実行するのが望ましいです。が、現状パネルを設置していないのでとりあえずパネル無しでホットエンドを150℃、ベッドを50℃程度まで温度を上げます。実際は240/100℃まで上げるべきですがとりあえずです。

到達してから10分ほど待ってから作業に取り掛かります。

紙かシックネスゲージを用意

ノズルとビルドプレートの間に0.10mmの隙間を確保したいのですが、一番お手軽な方法としては適当な紙を用意して使用します。

より厳密に行いたい場合はシックネスゲージという隙間を測る工具があるので買っておきましょう。というか個人的には必需品です。そんなに高くないし。

マクロを実行

PROBECALIBRATEというマクロがSIBOOR側で用意されているのでそれを使用します。実行するとホーム位置でPROBEしたあと微調整の画面が出てきます。

ココでちょっとずつノズルをベッドに近づけながら、間に挟んだ紙を引っ張ったときに抵抗を感じるぐらいになったらOKを押して設定値を保存します。

ココの値は各個体によって違ったり、フィラメントやノズルで違ってきたりするので一概にこの値が正解というものはなく自分はしょっちゅう測り直しています。印刷中に微調整も可能です。

キャリブレーション

最後にエクストルーダーのキャリブレーションを調整します。調整することによって正しい吐出量を設定することができ印刷品質が向上します。

printe.cfg内にすでに概算値がありますのでそれで問題ないかチェックします。ノズル温度をフィラメントを溶かすことができる温度まで上げます。フィラメントを挿入してDASHBOARDからフィラメントの操作ができるので10mmほど押し出してみます。もしフィラメントが押し戻されるのであればモーターの調整時と同様にピンに!をつけます([extruder]dir_pin)。フィラメントがノズルの先端から出てくるまで続けます。

次にフィラメント挿入口から120mmのところにマークをつけます。その後に再度フィラメントを100mm文押し出してフィラメント挿入口からマークまでの長さを測ります。20mmとなっていればOKですが、19mmのように押し出し量が多い(101mm押し出されてる)場合はrotation_distanceの値を変更します。変更式は

新しい値 = 古い値 * (実際に押し出された量/100)

となります。

初期セットアップ

これで最低限の初期セットアップが完了して印刷テストができる状態となりました!長い道のりでしたね。。。

まだまだパネルを取り付けたり作業はいっぱい残っていますがココまで動けばしっかりと組み上げられているので安心してOKですね!

次の記事

次はスライサーのセットアップやベッドメッシュの作成をします。

# VORON 2.4 R2 ビルドログ (21 - ファームウェア・CANネットワーク)

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、Octopus ProとSB2209へのファームウェアのインストールと、Raspberry Pi上でのCAN通信用ネットワークの作成を行います。

前の記事

CAN通信用のネットワークの作成

後々CAN通信を行う必要があるためセットアップしておきます。

interface.d内にファイルを作成

Raspberry PiにSSH接続して作業を行っていきます。

ssh voron2350-0
vim /etc/network/interface.d/can0

allow-hotplug can0
iface can0 can static
 bitrate 1000000
 up ifconfig $IFACE txqueuelen 1000
 pre-up ip link set can0 type can bitrate 1000000
 pre-up ip link set can0 txqueuelen 1000

sudoコマンドで管理者権限のコマンドを実行することができます。ネットワークやソフトウェアのアップデートのような全ユーザーに影響のある作業をする場合は管理者権限が必要となります。パスワードを聞かれたら現在ログインしているユーザーのパスワードを入力してください。初期セットアップ時に作成したユーザーはsudoを実行する権限を持っています。

vimの使い方は別ブログで最低限の操作方法を説明しているのでそのあたりを参考にしてください。

ネットワーク名は大抵の場合can0どのドキュメントでもされているのでそれにならいます。

baudrateはそろえる

後々Octopus ProやSB2209のファームウェアの設定を行うときに数値を指定する必要がありますが、その数値とここで作成するネットワークの数値を合わせる必要があります。私は1000000に指定しています。

Raspberry Pi再起動してチェック

ネットワーク再起動だけでもいいですが、とりあえずRaspberry Piを再起動しておきます。

sudo reboot

上記コマンドを実行します。1−2分待って再度SSH接続し以下のコマンドを実行してcan0のネットワークが追加されていればOKです。

ifconfig

can0: flags=193<UP,RUNNING,NOARP>  mtu 16
        unspec 00-00-00-00-00-00-00-00-00-00-00-00-00-00-00-00  txqueuelen 1000  (UNSPEC)
        RX packets 8723311  bytes 54101670 (51.5 MiB)
        RX errors 0  dropped 0  overruns 0  frame 0
        TX packets 20768285  bytes 156071822 (148.8 MiB)
        TX errors 0  dropped 0 overruns 0  carrier 0  collisions 0

ファームウェアのインストールはPsych0h3adさんの記事を参考

Octopus ProにKatapult(旧Canboot)というファームウェアとKlipperのファームウェアを順番に入れていきます。私のこのSIBOORキット購入のアシストをしてくださった方が詳細に書いておりますのでそれを参考にしてください。

配線を完成させる

ファームウェア作業時にSB2209を取り外したりジャンパーピンをセットしたりしているので、元の状態に戻していきます。ジャンパーピンを外すのを忘れないようにしてください。

SB2209をツールヘッド内に収める

SB2209をStealthBurner内に収めます。ツールヘッド側にネジ止めでSB0000が固定されていてハンコ注射みたいあトゲトゲが出ている箇所に、SB2209のピン受け口を差し込みます。

このときに注意点ですがピンの配列を間違えないようにしてください!差し込んだあとに上から見てソケットに収まっていないピンがないかライトなどで照らしながら確実にチェックしてください。

もしピンが一つズレてセットされたままVORONの電源を投入すると5Vの電圧がかかる場所に24Vの電圧がかかります。具体的にはSB0000に実装されている部品が燃え、StealthBurner内のLEDがすべて焦げ付き使用不可能になります。なぜここまで詳しいかというと1度やらかして部品をSIBOORから再調達しています。。。

くれぐれも間違えないようにしてください。即電源を切らないと発火炎上の原因となります。

SB2209への配線を完成させる

SIBOORの配線図を見ながら、TAP、Yエンドストップ、サーミスタ、ヒーターの配線をします。どの配線もギリギリかもしれませんので工夫して配線する必要があります。

ヒーターの配線が難しい場合は一度SB2209を外して、接続した状態でSB2209をピンに刺す方が楽です。

最後にStealthBurnerのカバーを閉めてネジ止めします。若干蓋と本体の間に隙間が空いていても問題ないですがカバーはしっかりと閉める必要があります。そうしないとY軸右側に移動したときにエンドストップがVORON本体に当たらずHomingできなくなります。蓋を締めた状態でStealthBurnerを右側へ手で移動してエンドストップのがカチッとなるかチェックします。

CAN通信用の線をつなげる

Octopus ProとSB2209をCAN通信用と電源供給用の線でつなぎます。

UUIDをprinter.cfgに書き込む

Psych0h3adさんの手順内でも紹介されていますが、Octopus ProとSB2209のUUIDをprinter.cfgに書き込みます。

firmware restartを行いチェック

書き込んだらFirmware Restartを実行して設定を反映します。すべて問題がなければMACHINEタブ内にOctopus ProとEBBのCPU使用率や温度などの情報が表示されます。これでVORONを動かす準備ができました。

サラッと書きましたが...

ここまでサラッと文章を書いていますが、私が今回の初めてのVORON構築で一番時間がかかり悩んだ箇所になります。あまりに悩みすぎて当時のログやポイントを書き留めるのを忘れていて、かつ手元にまた再現できる環境がないのでこの様になってしまいました。またいつかは書き直したいですがとりあえずこのビルドログを完結させる方を優先させてください。

ハードウェア周りはさっくり進められたのですがやっぱりソフトウェア関連はマニュアル通りにしっかり進めても環境差異があったり、手順が変わってたりする(元にCanBootはKatapultと名称変更されている)ので試行錯誤しないとうまく行かないですね。

本業がシステム関係なので余裕でしょ!とタカをくくっていたのですがファームウェアやネットワーク構築は専門外なのでなかなかうまくいきませんでした。。。

試行錯誤してみて、わからないことがあればSIBOORのDiscordやXのVORON有識者界隈に聞いてみるのが一番いいです。組み上がっても試行錯誤の連続かと思いますので今のうちに慣れておきましょう👀。もちろん私への質問も大歓迎です。

次の記事

次の記事では初期セットアップを行います。いよいよVORONが動きます。

VORON 2.4 R2 ビルドログ (20 - Klipper設定等)

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、Raspberry Pi上でklipperの設定を進めていきます。klipperはVORONを動かすための3Dプリンター用のファームウェアです。

前の記事

前回はRaspberry PiにPCからSSH接続できるようになるまで進めました。

各ドキュメント

基本的なKlipperの初期設定等は以下の各ドキュメントに従って進めていきます。

動画ではいつものVORONおじさんの動画も参考になります。

printer.cfgという最も良く触るコンフィグファイルに関してはSIBOORのGithubリポジトリに公開されているものを使用します。私が参照したタイミングは2023年10月頃なのでそこからいくつか変更されている様子です(もうすでに問題なく動いているのであまり根幹部分はいじらないようにしています)。

Klipperの画面にアクセスしてみる

とりあえず前回Mainsail OSを導入したRaspberry Piを起動してSSH接続するところまでは確認できているので、今度はブラウザからKlipperの画面にアクセスしてみます。このこの辺りのWEBサーバーの自動起動なども設定されているのでかなり楽ですね。

VORONの電源を投入しブラウザから前回Raspberry Pi Imagerで設定したホスト名を入力してアクセスします。ホスト名がvoron2350-0であれば、

http://voron2350-0

にアクセスすれば画面が開くはずです。IPアドレスが分かっている場合はそれでもOKです。

初めてアクセスした時にはエラー画面が表示されていると思いますが問題ないです。printer.cfgという設定ファイルをまだ作成していないためこれが表示されます。

printer.cfgを作成する

アクセスが確認出来たら、一つファイルを作成します。画面左上のハンバーガーボタンをクリックしてMACHINEを選択します。ここではVORONの設定ファイルを編集したり、各種アップデートやエンドストップのテスト等を行うことができます。

画面上の方にある上矢印のアップロードボタンがあるのでそれを使用してファイルをRaspberry Piへと送ります。送るファイルはSIBOORのリポジトリにあるprinter.cfgファイルです。

ファイル名はprinter.cfgから変更しないでください。アップロードが成功したら画面右上の電源ボタン内からFirmware Restartを実行してKlipperを再起動します。これはVORON本体やRaspberry Piの再起動ではなくKlipper自体の再起動となります。今後設定ファイルを修正した時などに毎回必要になってきます。

再起動が完了するとエラーメッセージの内容がMCUと疎通できませんという内容に変わってるはずです。エラーが出ているままですが現状ではOKです。

各設定値について

ぱっと見でそこまで難しい記法ではなくプログラミングとかやったことない人でも読みやすいかと思います。そこまで深掘りはしませんが今後変更する必要のある箇所について少し触れていきます。

mcu EBBCan

[mcu EBBCan]
#serial: /dev/serial/by-id/usb-Klipper_Klipper_firmware_12345-if00
canbus_uuid: 2789c6737f74
#  The following command is used to view the ID of canbus and needs to be entered in the ssh terminal.
# “ ~/klippy-env/bin/python ~/klipper/scripts/canbus_query.py can0 ”

今回のVORONキットの一番と言ってもいいほどの特徴のCAN通信を使用してツールヘッド部分を制御するために必要な記述です。詳細は後ほどに作業しながらとなりますが、ここではStealthBurner内につけるSB2209のIDを指定して通信できるようにしています。基本的にとりあえず初期セットアップできるように動かすのに必要な設定値はこれだけになります。

300mmビルドプレートの設定を350mmに

今のコンフィグファイルは一部が300mm用のビルドプレートの設定となっているため、350mmのものを使用している方は変更する必要があります。

[stepper_x]
position_endstop: 300  #350    ## Mechanical reset point coordinates for X-axis (change to 350 for 350 models)
position_max: 300  #350       ## X-axis maximum travel - software limit (change to 350 for 350 models)

300の値を350に変更します。

[bed_mesh]
# 修正前
# mesh_max: 270, 270           # Maximum calibration point coordinates x, y
mesh_max: 320, 320           # Maximum calibration point coordinates x, y

270の値を320に変更します。ベッドの歪みを測定するときの処理なのですが、300mmビルドプレートの設定のままだとせっかくの大きなビルドプレートの端っこの歪みを測定できなくなってしまいます。

[homing_override]
axes: z
set_position_z: 0
gcode:
   G90
   G0 Z5 F1800
   G28 X Y
   G0 X150 Y150 F7200    #300mm
#  G0 X175 Y175 F7200    #350mm
   G28 Z
   G0 Z10  F1800
   G0 X150 Y150 Z30 F1800
#  G0 X175 Y175 Z30 F1800    #350mm

ホーミング地点を指定する座標を150から175に変更します。300mmの行を消して350mmの行の頭にある#を削除してコメントアウト状態を解除します。

[quad_gantry_level]
## Gantry Corners for 300mm Build
## Uncomment for 300mm build
gantry_corners:                         # 300mm machineries
    -60,-10
    360,370
## Probe points
points:
    50,25
    50,225
    250,225
    250,25

## Gantry Corners for 350mm Build
## Uncomment for 350mm build
# gantry_corners:
#  -60,-10
#  410,420
##  Probe points
#points:
#  50,25
#  50,275
#  300,275
#  300,25

ガントリーの水平をとる処理の設定となります。各Zモーターの座標と測定地点の値があります。上のfor 300mm buildの部分をすべて削除して、下のfor 350mm buildの部分のコメントアウトを解除します。

[gcode_macro PROBECALIBRATE]
gcode:
    G28
    G0 X150 Y150 Z1 F3600
#    G0 X175 Y175 Z1 F3600  ##350mm
    PROBE_CALIBRATE

[gcode_macro G32]
gcode:
    BED_MESH_CLEAR               # Unloading net beds
    G28                            # Homing all axes
    QUAD_GANTRY_LEVEL            # Gantry levelling
    G28                            # Homing all axes
    G0 X150 Y150 Z30 F3600         # 300mm
    #G0 X175 Y175 Z30 F3600         # 350mm

最後にGコード内の座標も修正しておきます。

すべて完了したら画面右上のSAVE (& RESTART)のボタンを押して修正を反映させます。

次の記事

次の記事ではOctopus ProとSB2209のファームウェアを書き込みます。

VORON 2.4 R2 ビルドログ (19 - Raspberry PiのOS構築)

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、Raspberry Piに導入するOS(Mainsail)とその設定などを進めていきます。

前の記事

前回は配線を完了させました。

すでにOSが書き込まれているBTT PiのSDカードを使う場合は不要

これからの内容は自前でRaspberry Piを用意してOSを一から作成していく手順となります。SIBOORの標準的なキットではBTT Piと既に構築済みのSDカードがセットとなっていてOSをインストールしたりprinter.cfg内のファイルを細かくいじくる必要はありませんのでVORONを始めて動かすところまで飛ばしてOKです。

今後の流れ

これ以降はしばらくOSインストールやファームウェアの書き込み、CAN通信の設定等ソフトウェア関連のPC作業が増えてきます。また一部Linux上での作業も増えてきますのが適宜操作方法に関しては簡単な解説と参考文献をあげていきますが、それでもわからない場合はコメントもしくはX上で私宛にリプライなどしていただければ教えることができると思います!

英語でのやり取りになりますがSIBOORのDiscordでも皆さん親身に対応していただけるのでオススメです。

Raspberry Pi Imagerのインストール

Raspberry PiにOSをインストールするためだけの強力な公式ツールが存在しますのでそれを利用します。Raspberry Pi 4が発表されたあたりで公開されたのですがそれまでは自分でOSのファイルをダウンロードしてSDカードに焼いて、IPアドレスをチェックして無線設定…のような手間がありましたが、これが出てからは一発でできるようになり大変便利です!

以下の公式サイトからインストール用のファイルを取得してインストールを進めてください。

https://www.raspberrypi.com/software/

インストールが完了して起動するとこんな感じの画面となります。

Raspberry Pi Imagerの設定

OSをSDカードに書き込むための設定を行います。OSとしてはMainsail OSを使用します。

使用するOSの指定

まずはインストールするOSを指定します。OSを選ぶのボタンをクリックし、Other specific-purpose OS > 3D printingを選択するとMainsail OSを選択することができます。

MainsailのRaspberry Pi用の最新のものを選択します。64bitの方で問題ないです。

ストレージを選ぶのボタンで書き込む対象のSDカードを選択できます。

他設定

OSをSDカードに書き込む前にいくつか追加の設定を行います。画面右下の歯車マークを選択します。

ホスト名の部分を変更すると端末のhostnameを変更することができます。よくわからない場合はそのままでOKですが複数台Klipper制御の端末がある場合や、他にもRaspberry Piを稼働している場合には変更したほうがいいです。

私はとりあえずこのVORONで使用するRaspberry Piはvoron2350-0としています。VORON2350mmサイズの0番目(1番目)という意味です。多頭飼いしたいなぁ…

SSHを有効化するの設定では外部(現在操作しているPC)からRaspberry Piに接続するための設定を有効にします。Raspberry Piに直接キーボードとHDMIケーブルをつないで操作することもできますが以降はWindowsやMac OSのターミナルというソフトから操作するためオンします。

チェックボックスをクリックしてパスワード認証を使うの方を選択します。ユーザー名とパスワードを設定するもチェックを入れます。ログイン時に使用するユーザー名とパスワードを適当に決めます。

デフォルトのユーザー名(pi)はセキュリティリスクにもつながるので極力ご自分のユーザー名を設定してください!

Wi-Fiを設定するにチェックを入れてSSIDなどの接続情報を入力します。おそらく現在のPCで使用している無線接続の情報がそのまま反映されていると思います。

SDカードに書き込む

設定が完了したら書き込むをクリックしてSDカードへOSを書き込みます。10分ほどかかりますのでしばらく待ちましょう...

書き込みが終わったらSDカードをRaspberry Piに差し込んでVORONの電源をONにします。電源とストレージのアクセスランプが点滅すると思います。

接続トライ

ターミナルの起動

電源を入れてから完全に起動して外部からSSH接続できるようになるまで1-2分ほどかかりますので待ちます。

SSH接続できるようにターミナルを起動したいのですがWindowsとMacOSで作業が違いますが、以降は基本的にWindowsの場合を想定して説明していきます。Macの場合は適宜検索してみてください。

ターミナルはキーボードのWindowsキーを押して、検索欄にpowershellと入力してWindows Powershellというアプリを起動します。Windows10以前のOSを使用している場合はそもそもPowershellが存在しないかと思いますのでその場合はWinキー + Eを押して出てきた検索窓にcmdと入力してコマンドプロンプトを起動します。以降の操作は同じです。

出てきた画面でコマンドを入力していきます。黒背景に英語がいっぱいで触ったことない人にはなかなか取っつきにくいかと思いますが頑張って慣れてください。

以下のコマンドを入力してRaspberry PiにSSH接続します。

ssh [ホストで設定した文字列].local

# 例えばvoron2350-0と設定した場合
ssh voron2350-0.local

実行するとfingerprint(フィンガープリント)が何とかと聞かれて、yes/noを入力する必要がありますが、キーボードでyesと入力してエンターを押します。とりあえずあまり深いことは考えなくてOKです。

その後にユーザー名とパスワードを入力する画面になりますのでそれぞれを入力してエンターを押します。以下のような表示がされている場合はSSH接続成功となり外部から操作することができるようになります。

Debian GNU/Linux comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY, to the extent
permitted by applicable law.
Last login: Mon Apr  8 17:16:20 2024 from .......
taneyats@voron2350-0:~ $

yes/noの画面が出ない場合はおそらくSSH接続が有効となっていない、または現在操作しているPCが接続しているルーター(もしくはモバイル回線)とRaspberry Piのそれが異なっている可能性があります。ログインが何回やっても上手く行かない場合は、Imagerで書き込みする時の設定のユーザー名もしくはパスワードが間違っている可能性があります。

今後ログインする時は同じようにターミナルアプリ(Powershell)からsshコマンドを使用してRaspberry Piに接続します。3Dプリントに関する設定などはKlipperをブラウザから表示して編集できますが、Raspberry Pi本体やネットワークに関係する事柄などはターミナルから直接作業をする必要があります。

次の記事

次の記事ではRaspberry Pi上での設定を続けていきます。

VORON 2.4 R2 ビルドログ (18 - 配線(Octopus Pro・Raspberry Pi))

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、Octopus ProとRaspberry Piへの配線を行います。前回よりもさらに細かい作業となりますが頑張りましょう!

前の記事

前回は電源インレットから24V電源、それぞれの機器への配線を行い電源を入れても問題がないことを確認しました。

Raspberry Piの電源をOctopus Proからとる

私の構成ではホストコンピューターとしてRaspberry Pi 4Bを使用し、電源を5VPSUからではなくOctopus Proからとるようにします。

ピンの確認

Octopus Proの5VピンとGNDピンをチェックします。Octopus Proのピンアウトが表示されているファイルが公式で配布されているのでそれを確認します。Raspberry PiとのUART通信用のピン(UART2,J26)が用意されているのでそれを流用します。実際のRaspberry PiとOctopus Proの通信はUSBで行い、電源だけピンを使用します。

ピンレイアウトを見てみると右上のUSB端子のそばにJ26のピンがあります。その左上のピンが上から5Vピン2つとGNDピンとなっています。

Raspberry Piはpinoutコマンドを使用すると簡単にピンレイアウトを確認することができます。右上のピン3つがOctopus Proと同じ順序で並んでいます。

配線の作成

それぞれのピンをつなぐための配線を作成します。今回はキット内にあって結局使用しないであろうデュポン形式のコネクタを使用します。これも本当はピンを圧着するための専用工具があるのですが揃えるのが面倒なので汎用の圧着工具を使用します。

ちょっと自分は配線の長さをギリギリにしすぎてしまったのですがもう少し余裕を持って作成したほうがいいと思います。

起動チェック

お互いのピンを繋いでVORON本体の電源を投入します。Raspberry Pi側のLEDが点灯すればOKです。現状はまだOSも準備していないので通電していることを確認して終了です。VORON本体の電源をOFFにします。

これで5V電源を別途用意しなくてもRaspberry Piを起動することができました!ただしRaspberry Pi 5を使用する場合はより電力を必要とするためこの方法は使えないかと思います。

ケーブルチェーンをつける

VORON本体側で一つ忘れていたのですが、XYガントリーから底面にモーターやエンドストップスイッチの配線を取り回しするためにケーブルチェーンを取り付ける必要があります。

これを取り付けることによってガントリーの上下を行った際も配線がバラバラしなくなります。取り付けが完了したらABモーターの配線、Yエンドストップの配線をチェーン内を通して底面に送り出します。このときにどっちの線がAモーターBモーターなのかコネクタ付近にラベリングしておくと後でOctopus Proに装着するときにわかりやすいです。

Octopus Proへ各部品の配線を行う

おおよそ配線できるようになったのでOctopus Proにそれぞれのパーツのコネクタを挿していきます。

配線ガイドを有効活用する

配線をボードに挿す前に、配線ガイドを各所に設置していきます。これを使用することで配線完成後に線がバラバラしスッキリします。私はとりあえずコの字型に配置して使用しました。ニッパーや大きめのハサミで簡単に切れますが鋭利なので注意してください。

Zモーター

Zモーターの配線を挿していきます。4本ありそれぞれ間違えてはいけないのでよく確認しながらセットしてください。VORONを正しい向きで床に設置したときに左手前から時計回りに0−3番となっています。もし配線を間違ってしまっていても初期セットアップ時に一つずつ確認する(各モーターを数ミリずつ動かす作業があります)ので直ちに破損ということにはなりません。

配線の長さが足りない場合は適当な箇所で配線を切って線をはんだ付けするなり、コネクタでつなげるなりして延長してください。私ははんだ付けで延長しました。

ABモーター

ABモーターもZモーターと同様に配線していきます。こちらも動かす前にテストするので左右逆であってもベルトがちぎれる等発生する前に気づくことはできます。

正面から見て左側にあるのがBモーター(Xモーター)で、右側がAモーター(Yモーター)となります。

ファン

NEVERMOREのファンのコネクタを接続します。あとあと外装が完成してからコントローラー用のファン2機とエキゾースト(庫内の換気用)ファンも取り付けますが、私はつけていません。組立したのは秋ごろだったので特に必要なかったのですが夏になるにかけて動かそうかなと思います。。結構ファンの音うるさいんですよね。。。

ヒートベッド

ヒートベッドの温度計の配線を接続します。キット品の場合は最初からコネクタがついてるはず。

Yエンドストップ

Yエンドストップの配線を接続します。細い線ですがガントリー部分から結構長距離引っ張ってくるので断線したりしないように気を付けます。

Raspberry Pi

(画像上ではBTT Piになってます)

Raspberry PiとOctopus ProをUSBケーブルで接続します。USBケーブルの長さを詰めるのは大変なので適当なタイラップなどでくくりあげておきます。

SB2209用ケーブルをつける

最後にStealthBurner内にあるSB2209とOctopus Proをつなぐための配線を行います。別に難しいわけではないですが順番を間違えたりあとから作業するのが難しかったりするので追って進めていきます。

片方が特殊形状のコネクタになっていて、もう片方が2本の太い線と2ほんの細い線になっているケーブル(umbilical cable)を用意します。

スリーブを通す

私は使用していませんが、StealthBurnerからガントリーまでのケーブルが露出している部分に伸縮性のあるスリーブをつけることができます。すでにコネクターのある部分ではない方から通さないといけないため、装着するのであれば現段階で装着します。なくても問題はありません。

私はフィラメントガイドのPTFEチューブとスパイラルケーブルで友巻き状態にしているので使用していません。こちらの方が個人的にはケーブルが1つにまとまるので見栄えはいいかと思います。

ガイドを通って裏面に配線を通す

StealthBurnerからガントリーまでの長さは、ツールヘッドを左手前(ケーブルを通そうとしている箇所から最も遠い地点)に移動してもつっぱらない程度にします。ケーブルにガントリー部分に固定するためのソケットのようなものを装着して締め込んでいくと固定されます。

通した配線はABモーターの配線と同じようにケーブルチェーンを通して裏面に持っていきます。モーターの配線と違ってちょっと太くて取り回しが難しいので他の配線を傷付けないように注意します。

接続する

あとは配線をするだけですが、電源と通信用の線をそれぞれ接続できるように加工する必要があります。電源用の方には24V電源に装着できるようにコネクターをつけ、緑と黄色の線は先端の被膜を剥いて、LANケーブルのコネクターのような端子に装着します。準備ができたらそれぞれ接続します。LANケーブルの端子のような方は引っかかりがなく結構抜けやすいので注意が必要です。

ガントリーまでのたるみを解消する必要がある

最後にStealthBurnerからガントリーまでのたるみを解消する必要があります。例えばツールヘッドを一番左奥に移動したときにケーブルがたるんでビルドプレートの方に接触する、またはケーブルが邪魔でXY軸の移動を阻害する可能性があります。

あとからフィラメント用のPTFEチューブと友巻きする場合は現段階では特にすることはないですが、そうではない場合は弾性のある硬い線を使用してケーブルを宙に浮かせる必要があります。SIBOORのキットに含まれていますが、発泡スチロールと段ボールの隙間に入っていて完成するまで気づきませんでした。。。(笑)

とりあえずこれで配線に関しては一旦完了です。

次の記事

次はRaspberry Piで使用するOSを作成します。いよいよソフトウェアの領域に入っていきます👀

VORON 2.4 R2 ビルドログ (17 - 配線(電源系))

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、電源回りの配線をしていきます。電源を投入するまでは危険ではありませんが、配線間違いの無いように慎重に進めていきます。

前の記事

前回は配線前の各種配置を行いました。

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注意

このブログで書いてある内容はあくまで参考程度に留め、最終的な判断は各種公式ドキュメントをご確認の上ご自身で行ってください。配線を間違えると初回の電源投入時に発火・破損等の危険性などありますが、一切の責任は負いかねます。

また、Raspberry PiやOctopus Proを触る際には静電気には気を付けてください。裏起毛のある服やセーターのような静電気の発生しやすい服装は避けたほうが無難です。こういった作業は夏に上裸でやるのが一番👀!

配線図を眺める

特に説明もなく、この図の通りに配線していけばOK...だとあまりこの記事の存在価値がないので例によって一つずつ一緒に進めていきます👀。

ちなみにSIBOORのこの配線図は2023年12月以前と以降の出荷分で若干異なっていますのでご注意ください。Octopus Proと24V電源の配線が古い方(今回行う配線)だと冗長になっています。

Octopus Proをいじくる

配線を行うとOctopus Proを取り外して作業することができなくなるので先にいろいろパーツをセットしていきます。

ジャンパーピンのセット

ステッピングモーター側のジャンパーピンをセットします。各所の上部分の右側2つにつけます。左から2つ(TMC2240)の部分はさらに下部分の上側2つをすべて、それ以外(TMC2209)は左から2個目の上側2つにセットします。画像の通りです。

Octopus Proの下側には各種ファン用のピンがあります。とりあえず左から4つは現在の構成で使用するのでそれぞれの一番下のピンにジャンパーをセットします。これはファンの電圧を指定するものです。

ステッピングモータードライバーをセット

上部のジャンパーピンをセットしたところにモータードライバーをセットしていきます。左から2つはTMC2240と箱に書いてあるドライバーをセットします。事前にヒートシンクをチップの部分に取り付けておきます。

配線を進める

では配線を進めていきます。とりあえず今回は電源系の太い配線を進めていきます。

電源タップ

SIBOORキット品で付属してくる電源はインレット、スイッチ、ヒューズ一体となり3本の配線をだけとなっています(VORON公式のガイドと異なる)ので、SIBOORの配線図を参考にします。

電源モジュールからL(Live、プラス)、N(Neutral、マイナス)、PE(Protective Earth、アース)の線をWAGOのそれぞれのスロットに入れていきます。自分はとりあえず一番端っこにさしました。

WAGOに挿す側の配線は本当はピン形状となるようにか占めたほうがいいのかもしれませんが、対応する工具がなかったので現状配線を捩じった状態で挿して固定しています。

SIBOORの配線図でもそのようになっていますが、配線それぞれの色に意味があることを留意しておいてください。赤い線はプラス、黒い線はマイナス、黄色または黄/緑はアース線という感じで統一されているのでそれに従って配線することでミスが少なくなったり後から配線を確認しやすくなります。

線の長さはここから動かすことはないので線や端子に負担がかからない程度の最短距離で切ってしまいます。あまりに長いままだと後々邪魔になってくるので動かさない部分は極力短くしておきます。

WAGOで分配

これでWAGOの各部分にプラス・マイナス・アースの線を分配できたのでそれぞれのモジュールにここから配線していきます。

WAGO ⇔ 24V電源

まずは電源部分に配線していきます。

その前に以前にも確認しましたが電源モジュールのインプット電圧を100V(110V)にしておきます。側面にスイッチがあると思うので忘れずに変更します。

配線する部分にちゃんとNLとアースのの表示があるので確かめておきます。それぞれWAGOのNに挿した線をNへ...という感じで、配線の長さを調整しつつセットしていきます。

端子部分は以前紹介したラチェット式のカシメ工具の一番太い配線用の部分で作業しても問題ありませんでしたが、専用工具を使用したほうが確実でしょう...

配線が完了したら最後に3本とも正しい位置にセットで来ているか確認します。

ヒートベッド

次にヒートベッドから来ている配線をセットします。白い線2本と黄/緑の線がありますので、白い線1本をWAGOのNのスロットへ、もう一本をSSRのT1へとセットします。黄/緑の線をWAGOのPEのスロットにセットします。

ヒートベッドから来ている黒い線は電源の配線が終わってからOctopus Proにセットする信号用の線です。

ヒートベッドから来ている線は自分は長さを詰めずに配線して、余った分は束ねておきます。ココを短くするとヒートベッドを一旦外して作業したい時(たとえばNevermoreのメンテナンスとか)時に配線を一旦外す必要がありますが、長さに余裕があれば配線したままヒートベッドを動かすことができます。ヒートベッドからの配線を一旦また別のWAGOに付けて...等もありますがおいおい作業したいかなと思います。

SSR

SSRのL1とWAGOのLとを繋ぎます。自分はこの段階で電源回りの配線がほぼ動くことがないかと思ったのでスパイラルケーブルを使って配線をまとめました。細い信号線は後ろに見えているレールを使ってまとめるので、電源は別系統でまとめておきました。

Octopus Pro

Octopus Proへの配線です。

SSRのA2+とOctopus Proの一番下のマイナス(BED_OUT-)、A1+をその上のプラス(BED_OUT+)にセットします。あとは電源のプラスマイナス6個とOctopus Proの6個とをつなぎます。

ココも配線がゴチャゴチャしがちなのでプラスマイナスの線の色を守るようにします。BED_OUTの端子だけプラスとマイナスが逆です。

SB2209の配線は後でやる

以上でいったん電源周りの配線は完了です。あと一つCAN通信用ケーブルを使ってSB2209に電源を送る配線が必要ですがそれは後で行います。

念入りに最終チェック

ここまでで電源を投入してOctopus Proに電源が入るかをチェックすることができます。

ただ電源を投入する前に入念に配線が指示通りとなっているかをチェックする必要があります!配線を間違っていたりすると機器が壊れたり発火等の損害が発生する可能性がありますので十分お気を付けください。

電源を入れる

チェックが終わったらコンセントをさして電源を投入するのですが、万が一に備えて私はガレージに持っていきコンクリートの上で消火器を準備して電源を投入しました。用心するには越したことはないですからねぇ👀。。。

初めて電源を入れるときは問題が発生したときに即電源供給を遮断できるようにコンセントを引っこ抜けるようにするか電源スイッチに手をかけたままにしておきます。

無事に電源投入できて問題がない場合は、24V電源に緑色のLEDが点灯し、Octopus ProもいくつかのLEDが点灯します。起動時に「ピッ」という小さい音が鳴りますが問題ないと思います。電源をオフにすると「ピューン」とイイながらLEDが力なく消えていきます。。。

その他

ホストコンピューターとしてRaspberry Piを使用する and 5V電源を使用する場合はVORON公式のガイドが参考になると思います。

次回あたりで紹介しますが今回の構築ではRaspberry PiをOctopus Proのピンから電源供給を行います。結構ヘビーに稼働していますがピンが外れた時以外は問題なく動作しているので5V電源なくてもいいかなと個人的には感じています。

最後に

とりあえずザーッと電源関係の配線を進めてきましたが、端子をかしめたり線の長さをチェックしたり配線ルートを考えたりしながら進めると思うので結構時間がかかると思います。

繰り返しになりますが初回の電源投入時はくれぐれもお気を付けください。配線チェックも可能であれば自分以外の人にも見てもらった方が確実かもしれません。私も妻に見てもらってSSRにつなぐ線がおかしいことを電源投入前に気づくことができましたので。。。😭😭

次の記事

次はRaspberry Piや各種モーターなどからの配線を進めていきます。

VORON 2.4 R2 ビルドログ (16 - 配線(モジュール設置))

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、VORONを裏返して電源や制御用基板などを設置していきます。前回までの大がかりなハードウェアとは異なり小さい基板や配線を進めてきます。

前の記事

前回はStealthBurnerを完成させました。

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基本は手順書通り

まだ配線は進めず、各モジュールを配置していくだけなのでそこまで複雑ではありません。

基本的にはこの形式でパーツをセットしていきます。

使用するパーツ

Raspberry Pi 4B

フロントエンド部分や処理のメイン部分としてRaspberry Piを使用します。BTT Piという選択肢もSIBOORのキットではあるのですが、技適云々が鬱陶しいので私はRaspberry Piを使用します。

Octopus Pro

モーターなどのコントローラーにはBigTreeTechのOctopus Proを使用します。これはSIBOORのキット品のものです。

ピンがいっぱいで先端がちょっと恐怖症な私にとってはこわい!!かわいい🦆ちゃんもついてきます。

一応Amazon.jpにも在庫あるっぽいですがAmazonでこんなの買う人いるんだろうか。。。納期的にも中国から送られてきそうですね。

24V電源

これもキット品ですがMeanWellのLRS-200-24です。サイド部分にインプット電圧を切り替えるスイッチがあるので110Vにしておきます。この辺のごっつい電源を触るのはちょっと最初は怖いですね。。。

5V電源は使用しない

Raspberry Piを使用する場合は5Vの電源も別途用意してあげる必要があるのですが、私はOctopus ProのピンからRaspberry PiのGPIOピンへ供給するようにしています。そのためOctopus ProとRaspberry Piの配置を逆転させています。逆転させなくても問題ないですがピン同士が近くなり配線も短くできます。

組み立て当初はちゃんと動くのか、再起動時の挙動とか大丈夫かと心配していましたが数か月使ってみて全く問題ありませんでした。ただ、ピンの挿しこみが甘かったり緩んでくると電源供給不足となり、Raspberry Piのほうで電圧低下の警告が出てきたりします。即座に印刷が停止するとかではありませんが、Raspberry Piの全体的な能力を下げて動作するようになってしまいます。まあピンをちゃんとさしなおせばOKなんですが👀

作業

それぞれのパーツに足をつける

手順書通りにそれぞれの部品にDINレールに取り付ける用の足を付けます。爪の引っかかり部分が結構弱く破損しやすいので着脱時は注意します。すでに3個ぐらい印刷しなおしている気が…

SSR(ソリッドステートリレー)の部品だけは金具のしっかりした部品がついてくると思いますが同様にSSRにセットしてDINレールの所定の位置にセットします。

配線が結構邪魔になってくると思いますが、適当にまとめてマステとかで裏面の開いているところにベタっと貼り付けておくといいです。

電源部分を作成

コンセントからの電源ケーブルと電源スイッチの部分を作成します。それぞれヒートセットインサートナットはすでに取り付けていると思うので、各パーツをはめ込みます。

電源ケーブルを差し込む方の部品にはヒューズが内蔵されているかと思いますので必ず取り付ける前に問題ないかチェックしておきます。

公式手順の以降の内容について

以降の配線までの手順はあまり当てにならなくなってくる(使用する機器によって手順が変わってくる)ので自分がやったところだけ抜粋していきます。配線についてもSIBOORのほうで公開されているダイアグラムの方が分かりやすいです。

Zエンドストップは不要

上記のZエンドストップの説明部分は作業不要です。今回はVORON TAPがZ軸のエンドストップとして動作します。

Yエンドストップを付ける

Yエンドストップはまだつけていないので必要ですが、取り付け方はSIBOORの方の手順書を参考にします。

表面の作業になりますが、右奥のモーター部分にこの部品を取り付けます。最初にY軸のエンドストップを取り付けて配線を裏側から逃がした後にカバーのようなものをつけるときれいに仕上がります。

配線はケーブルチェーンを付けた時にCAN用のケーブルとかと一緒に裏側まで持ってくるので適当にまとめておきます。

ちなみにXエンドストップはこの前TAPの部品にくっつけました。これはSB2209にささるので配線は短いです。

WAGOをセット

電源ケーブルをまとめるものとしてWAGOというコネクターを使用します。以前にNevermoreの部品で使用したパチパチなるあれですね。

ひっくり返していない状態で左奥の足元に設置します。これでコンセントから引っ張ってきた各線をセットします。

電源部分をセット

先ほどつくった電源部分のスカート部品を同じ場所にセットします。

各パーツをDINレールにセット

DINレールにRaspberry Pi等をセットしていきます。

24V電源は大きいためかアルミフレームに固定する部品もあるのでそれで固定します。

次の記事

次は電源系の太い配線をしていきます。

VORON 2.4 R2 ビルドログ (15 - StealthBurner取り付け / SB2209)

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、ガントリーにStealthBurnerを取り付けていきます。合わせてCAN通信用のSB2209も一旦取り付けておきます。

前の記事

前回はStealthBurnerの部品作成とSB0000への配線処理を行いました。

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TAPにStealthBurnerを取り付ける

TAPの作業をしたときに、リニアレールブロックを一旦取り外しておいたと思いますが、そこから作業再スタートします。

レールにブロックをセット

プラスチックの退避部品とレールの上端をピッタリ合わせてスライドさせながらレールを戻します。レール下端のボルトが以前飛び出るようにセットしているはずなので自重ですっぽ抜けたりはしないです。

このプラスチックのレールをスライドインするための部品ですが、おそらくリニアレールに付属しているものだと部品が太すぎてTAPのベースと当たってしまいうまく入れることができない可能性があります。その場合はTAPのGithubリポジトリにあるMGN9_Assembly_Toolというファイルを印刷して使用します。

フロント部分を慎重にセット

セットしたブロックの4つのねじ穴に、TAPの最初の方で作成したVORONマークの入ったプレートを付けます。ワッシャーを忘れずにつけます。あまりブロックを上に動かしすぎたりするとレールから脱落するので注意して作業します。

ベルトの余りがビロビロしないように抑えておく部品がありますが自分は使用してません。

タップ動作をチェック

ネジ止めが完了したらプレートをゆっくりと上に動かしてみてTAPの上下動作がちゃんと動くかどうかチェックしてください。本当はツールヘッドをしっかりつけた状態でチェックすべきですが、初めての組付けなのでなるべく早い段階でチェックします。

プレートを取り付けてしまえばこの部分が引っかかりとなり上には抜けなくなるので安心できます!

プレート部分をゆっくりと上に押し上げて上にズレることと、指を離したらストンと元の位置に戻ることを確認します。これを何度か繰り返します。

指を離した時にストンと落ちない場合、余ったベルト部分が当たって抵抗となっている場合がありますので当たらないように避けるか切ります。コレプレート部分にベルトの余りを入れると発生する気がするんですけどウチだけですかね👀。

エクストルーダー部分をセット

TAPのプレート部分とStealthBurnerのエクストルーダー部分をあわせます。お互いに凸凹形状になっているのでしっかりはまるようにセットします。プレート部分の飛び出ているボルトの少し上に2点でボルト留めします。

ツールカートリッジ部分をセット

手順書が分かりにくいですが、ツールカートリッジ部分上部の飛び出ている部分を、先ほどの少し飛び出ているボルト部分に引っ掛けます。上手くハマらない場合一旦ボルトを緩めて余裕をもって装着し、ボルトを締めればOKです。

フェイス部分をセット

最後にフェイス部分を長めのボルトで一気にTAPの土台まで串刺しでボルト留めします。結構長いので電動ドライバーで回すと楽です。

これでひとまず完成です!いい見た目ですね👀

TAPのマグネットを調整

最後にTAP土台部分のマグネットを固定しているボルトを少し緩めて、ツールヘッド本体を何度か上下させてから再度ボルトを締め、間隔を調整します。これでTAPは完成となります。

SB2209を取り付ける

最後にとりあえずStealthBurner内のSB0000にSB2209をセットしておきます。いきなり刺すのではなく事前にちょっとしたセットアップが必要です。

DIPスイッチをいじる

SIBOORのビルドガイドからの画像ですが、左下の1-4と書いてあるスイッチ部分を3だけ数字側、それ以外を逆側にセットします。

ここでは詳細書かれていませんが、これはホットエンドのサーミスタの種類によって変更する必要があります。

Phaetus Dragon HFのセットで使用するサーミスタはPT1000の2線タイプなのでこのスイッチ構成となります。もしほかのホットエンドというかサーミスタを使用する場合はそれに合わせて変更してください。

ジャンパーピンをセットする

5か所ジャンパーピンをセットします。小さい部品なので紛失しやすいです。。。

画像の青い部分のにセットします。ジャンパーピンの向きは関係ありません。

上の2つはVORON TAPを使用するためのピンで、下のふたつはファンを稼働させる電圧を変更しています(24V)。

配線は一旦放置

現段階では一旦配線しないまま置いておきます。電源やOctopus Proの配線などができてから最後に行います。

一旦これでハードウェア完成

ここまで長い道のりでしたが、いったんハードウェア部分の構築は完成です!基本的に見た目もほとんど完全体と同じですね!

次からはいよいよVORONを裏っ返して電源や配線のこまごました部分に着手します。

次の記事

次回は配線の下準備です。

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VORON 2.4 R2 ビルドログ (14 - StealthBurner完成 / SB0000の配線)

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、StealthBurnerのTool Cartridge部分と顔部分を進めていきます。これでVORON 2.4 R2の象徴的なStealthBurnerが完成します!

前の記事

前回はStealthBurnerのエクストルーダー部分(CW2)を作成しました。

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Phaetus Dragon HF

SIBOORのこのキットについているホットエンドはPhaetus Dragon HFです。

PLAやABSのような普通な素材やカーボンファイバー入りABSのようなさらに高温で出力しなければならないフィラメントでも使用できるようですが、正直他のホットエンドを試したことがないので比較できず...

使いやすい点としてはヒートブロックと青い本体部分(Heat Dissipation Frame)が2点のボルトで留められているため、ノズル交換時にノズルだけ外してそのまま交換することができます。他のものであれば一旦ヒートブロックを緩めて交換後、再度樹脂が溶けている間にブロックを締めあげるHot tighteningと呼ばれるような作業が必要になりますがこの機種では不要となります。

Dragon HFの詳細は以下のページにあります。

DRAGON HOTEND HF

ホットエンドによってプリント部品が違う

Tool Cartridgeの部分のプリント部品は、使用するホットエンドによって若干違います。

ビルドガイドではE-RVと刻印されているものが表示されていますがこれはE3D Revo Voronようのものとなります。ほかにもE3D V6用などありますが、Phaetus Dragon HFで使用するのはP-DRGと刻印のあるものです。大まかな形状は全部同じですが、ホットエンドを固定するネジの位置やヒートシンクの形状が若干異なります。

パーツが2つあるので自前で印刷する時は忘れずに両方出力します。

ホットエンドをプリント部品につける

特に複雑な作業はないです。

VORONは前回作業した通りダイレクト方式のエクストルーダーなのでこのBowden CollectCollect ClipAdaptorは不要となりますので取り除きます。

Adaptorを外すためにはフレームの内側からM2 Cup Head Screwを緩める必要があります。このネジの頭はとても小さく簡単に舐めてしまうので、精度の出ている六角レンチでゆっくり、ネジに対して垂直に力をかけながら舐めないように回してください!最悪片方舐めてしまってもAdaptor部分をペンチなどで掴んで捻れば回すことはできます。。。(実体験

ホットエンドを大きい方のプリント部品にはめ込みます。配線関係が左側(ADXL用のヒートセット穴が無い方)に来るようにセットします。

もう一つの部品と挟みこんで上から4点をボルトでプリント部品とホットエンドを固定します。Dragon HFの場合このボルトも先ほどと同じく舐めやすいので無理やり作業しないようにしてください。ここはL字の六角レンチだとどうしてもボールエンド側で回さないとダメなので、ビットドライバーなどを使用したほうが安全です。

この辺り写真撮ったと思ってたのですが全然残ってません。。。(笑)

PTFEチューブを取り付ける

ツールカートリッジのフィラメント入り口にPTFEチューブを付けます。正直効果はよくわかってないのですが摩擦軽減とかのためですかね??

長さが指定されているので注意してください。PTFEチューブはペンチとかで切った場合、切り口がつぶれてしまうのでペンチなどで真円に整えてから差し込みます。これでツールカートリッジ部分は完成です!

フェイス部分

次に前面を覆うフェイス部分の作成を進めます。個人的に細かな設計上の配慮が垣間見えて作っているうちで感動が大きかった箇所です。

LED・ホットエンドファンのセット

最初にホットエンドを照らすLEDとVORONロゴのLEDを取り付けます。SIBOORキット品ではこの部品最初から配線済みで手順書通りに組み込むだけでした。簡単!

ホットエンドファンも組み込み、配線をガイドに沿ってくみ上げた状態です。この辺のパーツ組み込み時に自動的にパージするサポートや配線の逃げ道などメチャクチャ組み立てやすい(印刷もしやすい)設計をされていて感動しました👀。

クーリングファン

クーリングファンに使用する5015ファンはカバーを外してネジ留め用部分をヤスリなどで削り取る必要があります。最初に大雑把に大き目のニッパーなどで取り除いて棒ヤスリとかで整えます。目に見える部分ではないのできれいに仕上げる必要はありません。棒ヤスリは100均で売っている粗目のヤツが使いやすいです。こういうやつ。

セットするとこんな感じでピッタリ収まります。

EBB SB0000を取り付ける

CAN通信用の基板を使用する場合盲ひと手間必要です!SIBOORのキットではBigTreeTechのEBB SB2209/2240を使用してファームウェア(Octopus Pro)とを1本のケーブルだけで繋ぐようにします。ビルド用のマニュアルは以下から入手できます。

本来のStealthBurnerではここまでで作業は終了ですが、CAN通信をする場合はSBOOOOという基板を追加でつける必要があります。

といっても現段階では基板をセットして配線処理するだけなのでそこまで難しくはないです。

クーリングファンの上にセット

クーリングファンを止めているネジを一旦外してSB0000の基板も一緒に停めるようにします。おそらく標準のネジでは長さが足りないはずなのでしていされたM3x10 BHCSのネジを使用します。SIBOORキットでは付属していました。

強く締めこみすぎると土台のプリント部品の積層を割ってしまうので注意してください。実際割ってしまいましたが造形に問題ないのでそのままにしてます...

配線について

ここからちょっと慣れが必要な作業となってきますが頑張っていきましょう!!!

SB0000にLEDとホットエンド用のファン、パーツクーリングファンの配線をとりつけていくのですが、現状では配線の長さが長すぎてStealthBurnerをくみ上げた時にちゃんとボルトを締めて閉じることができないはずです。各モジュールの配線はある程度余裕な長さで配線されているので、いったんその配線を詰めてStealthBurner用に最適化する必要があります。

最終的にはこんな感じで必要最低限の配線の長さになりすっきりと仕上がります。

SB0000にセットするファンの電圧を調整するジャンパーピンは次に紹介するSB2209(RP2040)の部分でセットします。

配線に必要な長さをチェック

実測で配線に必要な長さを測ってちょっと余裕をもって必要な長さ分だけ配線をカットします。まあ短く切りすぎてもはんだ付けして配線を伸ばしたりできるのでこういった作業を初めてする場合でも気負いせずに行きましょう!この辺はマニュアルでも長さが指定されていないので自分の感覚で進めてください。

配線をカットしてピンをカシメる

配線をカットしたら以下の手順でコネクターに装着まで進めていきます。

  • 導線が複数本ある場合、長さを揃える。
  • 配線の端を数ミリ分、ストリッパーで被膜を剥ぐ。
  • 配線を撚って1本の束にする。
  • カシメ工具を使って被膜部分を一旦カシメる。
  • 導線部分をカシメる。
  • 導線分繰り返す。
  • ピンの返し部分を立てる。
  • 順番に気を付けながらコネクターにピンを挿入する。
  • コネクターからピンが抜けないことを確認する。

この辺の端子付け(Crimping)のルーティーンは初めて電子工作をする方は、VORONをくみ上げる頃にようやく慣れてくると思います。。。(笑)

例のVORON組み立ておじさんもCrimpingに関して細かくやってくれているので参考にしてみてください。

使う工具はラチェット式のものが圧倒的に使いやすいです。昔はペンチ式のものでやっていたのですが手の疲れや作業のしやすさが段違いです。

後は大量にこなして慣れるしかないですね。。。SIBOORのキットであればピン部分は十分余裕があるので数十個ミスっても大丈夫でした。

配線する

コネクターをつけて配線をするとこんな感じになります。ケースと基板の隙間にいい感じに配線を逃がします。

SIBOORのGithubにある配線図も必ず目を通してプラスマイナス間違っていないか確認してください。

各部品完成!

これでStealthBurnerをガントリーに取り付ける準備ができました!

次の記事

次回はガントリーのTAP土台にStealthBurnerを取り付けていきます。

VORON 2.4 R2 ビルドログ (13 - StealthBurner / CW2)

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、StealthBurnerの組み立てを進めていきます。フィラメントを溶かして押し出す3Dプリンターのメインとなる部分でVORON 2.4 R2の象徴的な部分ですね!この連載のバナーもStealthBurnerをフィーチャリングしたものです👀

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前回はABベルトを張ってテンションを整えるところまで進めました。

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StealthBurnerのリポジトリ

StealthBurnerはVORON 2.4 R2の標準のツールヘッドとなっていますが詳細なビルドガイドは別のGithubリポジトリにあります。

StealthBurnerが公開されるまではAfterBurnerというツールヘッドが使用されていました。

大まかに3つのパーツで構成される

StealthBurnerは大まかに3つのパーツで構成されています。

ヒーターファンとクーリングファン、今回であればCAN通信用の基板を載せるためのフェイス部分、フィラメントを押し出すためのエクストルーダー部分(ClockWork2)、ホットエンドとクーリングダクトのツールカートリッジ部分となります。

それぞれのパーツが独立しているのでホットエンドを別のものに変更したい場合やフィラメントを送り出す部分のメンテをしたいという場合に分解と再組立てが非常に簡単となっています。フェイス部分の4本のボルトを外すだけで3パーツに分解できるので数分でこの状態に持ってくることができます。CAN通信基板を使用する場合は配線も1本だけなので!

ヒートセットインサート

StealthBurnerにももちろんですがヒートセットインサートを埋め込んでいく必要があります。以前の記事で全部まとめて作業したのでそちらを参考にしてみてください。

ClockWork2部分

ガイドラーアーム

フィラメントとエクストルーダーのギアを挟み込む部分のです。ギアに彫ってある溝の向きに注意して組み立てます。

アイドラーのシャフト部分に潤滑油を塗る必要があります。なくても動作はしますが部品の摩耗などを考えると塗っておいた方がもちろんいいです。私は手元にあった適当な自作キーボードで使用するGPL205(通称ルブ)を塗っておきました。スーパールブとか一家に一つあれば便利ですね。

フィラメントを挟み込む強さを調整する部分なのですが、細かいパーツが多いです。私のSIBOORキットはこの小さなワッシャーみたいなのがなかったので適当なワッシャーで代用しました👀。あとから調整するのでいい感じにねじ込んでおきます。

モータープレート

エクストルーダー用のモーターとギアを組み込む部分です。 プリント部品の方のベアリングが上手くはまらない場合は穴を少し拡げるか部品を再印刷する必要があります。きつすぎる場合はフィラメントを押し出しすぎでしまうようです。

ドライブギア

寸法が指定されていますが、これも後程実際に嵌めてみて問題ないかチェックしたのちにネジロック剤を塗ってください。

ここまで組んだ時にプリント部品の上下の溝とドライブギアの溝が一直線に並んでいる必要があります。

実際に1.75mmフィラメントを通して作業していきます。

ここのボルトの締め具合でテンションアームの動きの緩さが決まりますので好みの固さにします。

テンションをかけてみる

ここまで組めればテンションをかけてフィラメントを挟み込むことができます。フィラメントを引いたり押したりしてギアが回転していればOKです。

モーター取り付け

モーターを取り付けます。配線がどっちに来ても問題ないはずですが私は上側に出しました。

2つ目のボルトをある程度締めたらモーターのギアと、プラスチックの大きなギアの歯がかみ合う位置に調整してボルトを完全に締めます。大きいプラスチックのギアを動かしてみてモーターのギアとかみ合ってるかチェックしたら完了です。

アーム・カバー取り付け

最後にアームとケーブルカバーを取り付けたら完了です。CAN通信の場合は基板を固定するためのものになります。

ケーブルカバーを固定するためのボルトはテンションアームを解放した状態でないとアクセスできません。カバーは結構薄いので積層に沿って割れやすくなっています...。割れてしまっても造形に影響はありません。

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次回はツールカートリッジ部分を進めていきます。

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