こんにちは、たねやつです。
中東UAE(アラブ首長国連邦)を拠点とする研究機関から、「世界で最も先進的なオープンソース推論モデル」を謳う「K2 Think」が間もなくリリースされるというニュースが飛び込んできました。
Local LLM界隈では、過去にもUAEからリリースされたモデル「Falcon」が大きな話題となりましたが、今回の新しいモデルはどうなるのでしょうか。この記事では、現在公開されている情報と、海外の技術コミュニティの反応をまとめてみます。
この記事でわかること
- 新しいLLM「K2 Think」の概要
- 「K2 Think」に対する海外コミュニティ(Reddit)の反応
- 過去のモデルやライセンスに関する懸念点
「K2 Think」とは?
今回発表された「K2 Think」は、UAEのムハンマド・ビン・ザーイド人工知能大学(MBZUAI)と、同じくUAEを拠点とするテクノロジー企業G42が共同で開発しているモデルです。
発表によると、このモデルは以下のような特徴を持つとされています。
- 「世界で最も先進的なオープンソースの推論モデル」 であると主張
- コンパクトかつ効率的でありながら、フロンティアクラス(最先端級)のパフォーマンスを実現
- 多くの大規模モデルをも上回る性能を持つ
ただし、現時点ではモデルのパラメータサイズや、その主張を裏付ける具体的なベンチマーク結果などは公開されていません。
コミュニティの反応
このニュースが投稿された海外の掲示板Reddit(r/LocalLLaMA)では、多くのコメントが寄せられています。その主な反応をいくつか紹介します。
名前の混乱
まず多く指摘されたのが、中国のMoonshot AIが開発したモデル「Kimi K2」との名称の類似です。今回の「K2 Think」は、それとは全く別のモデルです。ちなみに、今回と同じUAEのグループは、過去にも「K2」という名前の65Bモデルをリリースした経緯があります。
懐疑的な見方
「世界で最も先進的」という非常に強い主張に対しては、懐疑的な声が多く上がっています。
- 「実際に見てみるまでは信じない」
- 「並外れた主張には、並外れた証拠を期待したい」
といったコメントに代表されるように、多くのユーザーが実際の性能やベンチマークの結果を待っている状態です。
検閲とライセンスへの懸念
モデルの出自がUAEであることから、政治的・文化的な配慮による厳しい検閲がかけられているのではないか、という懸念も複数見られました。
また、ライセンスに関しても、「真にオープンソース(Apache 2.0やMITなど)ではなく、何らかの制限が付いたライセンスになるのではないか」という憶測も飛び交っています。
過去のモデルの実績
一部のユーザーからは、「このグループが過去にリリースしたモデルは、最先端の性能ではなかった」という指摘もあり、今回のモデルに対する期待を控えめに見積もる意見もありました。
最後に
「K2 Think」がその主張通りの性能を持つモデルであれば、ローカルで動作するLLMの選択肢がさらに広がる、非常にエキサイティングなニュースです。
一方で、コミュニティからはその大胆な主張やライセンスに対して、冷静かつ懐疑的な視線も向けられています。
まずは、モデルのパラメータサイズ、アーキテクチャ、そして何より客観的なベンチマーク結果の公開が待たれます。続報があり次第、またブログで取り上げたいと思います!