こんにちは、たねやつです。
今まで使っていたAnycubic Photon 無印のスペアパーツがどんどん入手困難 or 価格高騰しているので、次世代機としてAnycubic Photon Ultraを導入しました!
まだ一般流通では手に入れにくい機種のようなので、一通りレビュー交えて紹介していこうと思います。
Anycubic Photon Ultraについて
以前の購入方法
Anycubic Photon Ultraは2021年末から2022年初にかけてKickStarterにて販売(?)されていた家庭用光造形機初のDLP方式を採用した3Dプリンターとなります。
この募集期間中にちらっと見て「へーそんなのもあるんだ」程度には知っていたのですがまさか所持するようになろうとは。。
今現在は募集期間は終了しているのでKickStarterからは購入することはできません。
https://www.kickstarter.com/projects/anycubic-official/photon-ultra?lang=ja
DLP vs LCD
上記のDLP
方式についてですが、一般的に普及している家庭用の光造形3DプリンターのほとんどはLCDを使用した方式をとっています。
LCD
を使用した方式は、レジンバットの底面からUVライトを照射して、LCDで造形したい形にUVライトを遮り積層していく方法となります。LCDは安価に手に入れることができますが使用可能な期間が短いです(約2000時間)。またLCDで光を遮っても輪郭部分は若干の光が漏れてしまうためディテールがぼやっとしてしまいます。それを解消するために4Kや8KのLCDが使用されどんどん高画素化(ディテールが細かく出る)しています。
たいしてDLP
方式ではプロジェクターから直接造形する形のUVライトが照射されます。LCD方式で発生していたぼやけが無くなりくっきりとした造形が可能となります。また公称では20000時間
使用することができるとのことなので、ランニングコストはかからないそうです。(個人的にはここが疑問で、20000時間以上使うだったり、途中でプロジェクターが壊れたらどうするの??という感想ですが)
現在の購入方法
現在、すでに募集は終了してしまったのでKickStarterから購入することはできません。Anycubicの公式ECサイトでもページはあるのですがずっと品切れのままとなっています。
国内ではSK本舗さんから購入することができます。洗浄用の機械とセットとはいえ結構お高めですが...
【完全数量限定】ANYCUBIC 『DLP方式3Dプリンター』&『2次硬化・洗浄機』セット
国外では、AliExpressから購入することができるようですが、ちゃんと届くかは不明(どれが公式なのか、そもそも公式に出品しているのかわからない)です。
購入した経緯
購入した経緯は、Photon無印のLCDが壊れたため予備で持っていたLCDがそこを尽きたため補充しようとしたところ、Amazonで購入していたELEGOO Mars用の商品が無くなっていて部品供給が厳しくなってきたと感じたためです。
印象としてはFDM機よりも進歩 or 画素の高画質化が激しく商品の進化サイクルが光造形機の方が随分と速いような気がします。。
次世代機として最初はM3あたりを無難に調べていたのですが、造形範囲が大きく(6-8インチが普通)自分の求めているものよりオーバースペックとなっていました。造形範囲が広いとそれだけLCDのコストもかかるわけでキーキャップのようなごく小さい物しか出さない私にはデメリットでしかありません。
もうちょっとなんか面白いのないかなーと探していたところ、Twitterの方でPhoton Ultraをおススメされました!見てみたところDLP方式だったり造形サイズもちょうどよかったりして割と一目惚れで決定はしました👀
とはいえ、国内在庫がどこもなかったので某メルカリにてKickStarterで購入して、検品だけして動作は確認していない新品の物の出品があることを発見して即購入しました。若干不安はあったのですが、まあお試しということでしたが、とりあえず問題なく動いてくれています。
見た目
前書きが長くなりましたが以下外観などです。
外観
形は他のLCD方式の光造形機と全く同じですね。LCDの代わりにガラスが貼ってあります。
Z軸とレールはそれぞれ1本ずつとなっています。せめてレール2本ぐらいあったほう耐久性ありそうな気がします。
正面から(ピントが合っていない)。プロジェクター部分はテキサスインスツルメンツとの共同開発のようです。
右側面に電源ボタンとUSBがあります。WiFiには対応していません。電源ボタンがPhotonよりも小さくなってちょっと押しにくいです。
あと可能であればUSBジャックはPhrozenのように前面に持ってきてほしいですね👀
左側面と背面には廃熱用の穴が無数に開いていますが、DLP方式では発熱量がLCD方式よりもずっと少なく排気音が一切しません。もはやファンも内蔵されていないのではぐらい静かです!
プロジェクターとミラー部分です。このレンズから直接1層分のレーザーが発射されミラーに反射してプラットフォームとレジンに当たるという感じです。UVライトと違って指向性と強度が高そうなので直接覗いてはダメですね。。
すでに何回か使用しているのでキズがありますが、プラットフォーム面はチェック柄のパターンが入っています。これにより定着性の向上と剥がしやすさの両方が向上しているそうですが、あまりPhotonのヘアライン仕上げの物と違いが判りませんでした。。
USBメモリに最初から入っているテストプリント用のモデルですが、サポートを使用せずにプラットフォーム直付なのではがすのに結構苦労しました。。。
ガラス面が保護必要か
LCD方式ではないので、LCDが必要ないのですがその代わりにガラスが嵌めてあります。周囲はコーキングのようなもので蓋してあるので内部にレジンが流れ込むことはないと思いますが、ガラス面にレジンが付着したまま硬化した場合大惨事となりそうです。
KickStarter経由でしかまだ手に入らなかかったためか、このあたりのスペアパーツ(レジンバット、ガラス、プロジェクター等)は一切手に入りません。。いずれ普通にUltraが販売されるようになったらスペアパーツとか販売するようになるのでしょうかね🤔🤔
自分はとりあえず適当な100均で買えるような保護フィルムを水で張り付けて使っています。とりあえずは問題はなさそうだけど若干レーザーが拡散して品質は落ちるかもしれません。
レジンバットは他機種と共用
上記で対応井しているレジンバットがないと言っていますが、他機種のレジンバットと共用できます。Photon無印やMonoのモノも使用可能(というか全部同じ大きさ)なので以下のあたりのものがそのまま使えます。
ただMono用のレジンバットはFEPフィルムの装着方法が特殊らしいのでELEGOOの方を使用したほうが無難そうです。これについてはまた別途書こうかなあ。
蓋がちょっと不満
ヒンジではなく上からかぶせるタイプの蓋がついていますが、これが紫外線カットになっていません。Photonでは紫外線カットになっていたので、あまりよくはないと思いますが日光の当たるような場所でも印刷ができていました。
同じようなノリでUltraで蓋をかぶせて造形していると、レジンバット内になにやら透明のカタマリみたいなものが...
とりあえず本体にブランケットでもかぶせて応急手当しています。今後は蓋を黒く塗っちゃうか紫外線カットのフィルムでも貼ろうかと思います。
操作感
操作感はPhotonとほとんど全く変わらない感じです。レベリングしてZ=0を設定した後にある程度Z軸をあげてくれる機能が追加されたぐらい??
最後に
とりあえずの外観等はこんな感じです。Photonでは全体が金属感のある感じでしたが、Ultraでは大抵の部品がプラスチック(外装、レジンバットを止めるノブやプラットフォームを止めるノブ等)となっていてちょっと安っぽい印象になってしまっているのが残念です。まあ機能的には問題ないのでいいですが。
次回は印刷前の準備やスライスについて紹介しようと思います。
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