こんにちは、たねやつです。
高性能なグラフィックボード(GPU)は高価で、なかなか手が出せない...。そんな理由で、最新の大規模AIモデルを試すのを諦めていた方に朗報です。海外の掲示板サイトRedditのStable Diffusionコミュニティで、「VRAM 6GBのGPUでQwen Imageモデルが動いた!」という非常に興味深い投稿が話題になっています。
この記事では、このRedditの投稿で紹介された手法を徹底的に分析し、低スペックなPC環境で大規模視覚言語モデル「Qwen Image」を動かすための具体的な手順から、多くの人が直面するであろうエラーの解決策までを網羅的に解説します。
- この記事でできること
- この技術の核心:GGUF量子化とカスタムノード
- 【実践】セットアップ完全ガイド
- 【重要】よくあるエラーと解決策
- 実際に生成される画像の品質と速度は?
- 自分の環境で試してみたがlora key not loadedがどうしても出る
- 最後に
- 参考・引用
この記事でできること
- VRAM 6GBの環境でComfyUIを使ってQwen Imageモデルを動かすための具体的な手順がわかる。
- セットアップ中に発生しがちなエラーの原因と、その解決策を学べる。
- GGUF形式の量子化モデルを利用するメリットが理解できる。
この技術の核心:GGUF量子化とカスタムノード
なぜ、本来なら大量のVRAMを必要とする巨大なモデルが、6GBという限られた環境で動作するのでしょうか。その鍵は2つの技術にあります。
GGUF形式への「量子化」 モデルの持つ数値データを、より精度の低い(=データ量の少ない)形式に変換することを「量子化」と呼びます。GGUFは、その量子化されたモデルを格納するための一般的なファイル形式の一つです。データを軽量化することで、VRAMの使用量を劇的に削減できるのです。今回の手法では、画像モデルは
Q3_M、テキストエンコーダーはQ4という、それぞれ異なるレベルで量子化されたモデルを組み合わせて使用しています。ComfyUI-GGUFカスタムノード ComfyUIは標準ではGGUF形式のモデルを読み込めません。そこで、ComfyUI-GGUFという有志によって開発されたカスタムノードを追加することで、これらの軽量化されたモデルを扱えるようにします。
この2つの組み合わせが、低VRAM環境での大規模モデル実行を実現しているのです。
【実践】セットアップ完全ガイド
それでは、実際にセットアップを進めていきましょう。
Step 1: ComfyUI-GGUFの導入と更新
まず、custom node managerからComfyUI-GGUFを最新版にアップデートします。
Step 2: GGUFモデルのダウンロード
次に、量子化されたGGUFモデルをダウンロードします。Hugging Faceなどで公開されていますが、今回の手法で使われているのは以下のモデルです。
qwen-image-Q3_K_M.gguf→ unetディレクトリへQwen2.5-VL-7B-Instruct-UD-Q4_K_XL.gguf→ clipディレクトリへQwen-Image-Lightning-4steps-V1.0-bf16.safetensors→ loraディレクトリへ
Step 3: ワークフローの適用
Redditの投稿者は、この設定をすぐに再現できるワークフロー(JSONファイル)を画像に埋め込んで共有しています。その画像をダウンロードし、ComfyUIの画面にドラッグ&ドロップすることで、ノードの接続などを一気に読み込むことができます。
https://drive.google.com/file/d/1tZ-x4E42vivHc71Kpv0WruDK9XbhcqCq/view?usp=drivesdk
【重要】よくあるエラーと解決策
この手法はまだ発展途上であり、多くのユーザーがセットアップ中にエラーに遭遇しています。ここでは、Redditで報告されていた代表的なエラーとその解決策をまとめます。
エラー1: Value not in list: type: 'qwen_image' not in [...]
- 原因:
ComfyUI-GGUFカスタムノードのバージョンが古い。 - 解決策: カスタムノードを最新版にアップデートしてください。
エラー2: lora key not loaded
- 原因: ComfyUI本体とLoRAの読み込み処理の間に何らかの不整合がある可能性。
- 解決策: ComfyUIを「nightly」ビルド(開発最新版)に切り替えてから、ComfyUI Managerでアップデートを実行すると解決するとの報告があります。
エラー3: 生成される画像が真っ黒になる
- 原因: ComfyUIの「Sage Attention」機能と、Qwen Imageモデルの間に互換性の問題があるようです。
- 解決策: Sage Attentionを無効化することで、この問題が解決する場合があります。
実際に生成される画像の品質と速度は?
Redditのコメント欄では、この手法で生成された画像の品質や速度について、様々な意見が交わされていました。
- 肯定的意見: 「Q3レベルの量子化でこの品質は驚きだ」「20Bパラメータのモデルが6GB以下で動くのは凄い」
- 懐疑的意見: 「サンプル画像ほどの品質が出ない。本当にQ3モデル?」「1枚あたり60〜90秒は遅すぎる」
量子化によって品質がある程度犠牲になることや、処理速度が遅くなることは避けられません。試す際は、この点を理解し、現実的な期待値を持つことが重要です。
自分の環境で試してみたがlora key not loadedがどうしても出る
手順に従って進めてみましたがやはり、lora key not loadedのエラーが出てしまいます。ステップ数を上げると問題なく描画されるのでおそらくLoRAが有効になっていないです。
lora key not loaded: transformer_blocks.9.attn.to_add_out.lora_down.weight lora key not loaded: transformer_blocks.9.attn.to_add_out.lora_up.weight lora key not loaded: transformer_blocks.9.attn.to_k.alpha lora key not loaded: transformer_blocks.9.attn.to_k.lora_down.weight lora key not loaded: transformer_blocks.9.attn.to_k.lora_up.weight lora key not loaded: transformer_blocks.9.attn.to_out.0.alpha lora key not loaded: transformer_blocks.9.attn.to_out.0.lora_down.weight lora key not loaded: transformer_blocks.9.attn.to_out.0.lora_up.weight
とはいえLoRA無しでも量子化モデルが発見できたことで処理の高速化ができることがわかり個人的には満足でした👀
最後に
今回紹介した手法は、いくつかの課題や不安定さを抱えつつも、工夫次第で大規模AIモデルを身近なPC環境で動かせるという大きな可能性を示してくれました。完璧なソリューションではありませんが、エラー解決のプロセスも含めて、最新技術のフロンティアを探る楽しさを味わえるのではないでしょうか。
リソースに限りがあるけれどAIの最前線に触れてみたいという方は、ぜひ挑戦してみてください!