たねやつの木

Photographs, Keyboards and Programming

【100ドルで復活!】放置された中古VORON 2.4を最新MODで再生した感動の記録

こんにちは、たねやつです。

3Dプリンターの世界、特に自作コミュニティは、常に新しい驚きと感動に満ちています。今回ご紹介するのは、海外の掲示板サイトRedditのVORONコミュニティに投稿された、まさにそんな物語です。

あるユーザーが、わずか100ドル(約1万5千円)で手に入れたという「不動品」のVORON 2.4。それをただ修理するだけでなく、最新のコミュニティMOD(改造パーツ)を惜しみなく投入し、見事に復活させたのです。

この記事では、その感動的な再生プロジェクトの全貌を、具体的な改造内容やコミュニティの反応と共にご紹介します。

この記事でわかること

  • 放置された中古3Dプリンターが、どのようにして最新鋭機に生まれ変わったか。
  • Xolツールヘッドやセンサーレスホーミングなど、VORONコミュニティで人気のMODの具体的な活用事例。
  • 自作3Dプリンターコミュニティの魅力と「VORONスピリット」。

運命の出会い:100ドルの「不動品」VORON

物語は、u/Strict_Bird_2887と名乗るユーザーが、ノズルが曲がった「不動品」として売られていたVORON 2.4を、わずか100ドルで手に入れたところから始まります。おそらく売り手はその真の価値を知らなかったのでしょう。この幸運な出会いが、大規模な再生プロジェクトの幕開けとなりました。

再生計画:最新コミュニティMODへの大規模換装

ユーザーは、この不動品を単に修理するのではなく、完全なオーバーホールとアップグレードを決意します。その内容は、VORONコミュニティの最新トレンドが凝縮された、非常に意欲的なものでした。

ツールヘッド/押出機:将来の多色化を見据えた選択

標準のStealthBurnerから、以下のパーツで構成されるシステムに換装されました。 - Xol Toolhead - Nebula extruder - Rapido 2F hotend - Nitehawk-36 USB toolboard

この組み合わせが選ばれたのには明確な理由があります。それは、将来的に多色印刷システム(MMX)を導入することを見据え、フィラメントカッターを統合しやすいXolツールヘッドが必要だったからです。

電子部品/制御:よりスマートに、より高機能に

  • センサーレスホーミング: 物理的なリミットスイッチ(エンドストップ)をすべて取り払い、BTT Eddyプローブを使用したセンサーレスホーミング方式に変更。これにより、配線がシンプルになり、信頼性も向上します。
  • 頭脳の強化: コントローラーとして、より強力なRaspberry Pi 4Bに換装。
  • 遠隔操作: KlipperScreenを別のPiサーバーで動かし、デスクからプリンターを遠隔操作できる環境を構築。

外観:こだわりのカラーリング

元々はティール(青緑色)だったというプリントパーツは、すべてギャラクシーブラックのASAで再印刷。これにより、見た目もクールな最新鋭機へと生まれ変わりました。

復活の道のりと、最高の「最初の1層」

「何時間にもわたる組み立て、圧着、流血、調整、設定…」 ユーザーが語るように、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。しかし、すべての苦労が報われる瞬間が訪れます。

完璧な最初の1層がプリントされたとき、ユーザーは「途方もない誇りを感じた」と語ります。これこそ、自らの手で問題を解決し、マシンを組み上げるビルダーだけが味わえる最高の瞬間です。

コミュニティの反応と技術的な議論

この投稿に対して、Redditコミュニティからは祝福と賞賛の声が殺到しました。

「100ドルは泥棒レベルの安さだ!」「素晴らしい復活劇だ!」

同時に、VORONコミュニティらしい技術的な議論も巻き起こりました。「なぜ最新のA4Tではなく、Xolツールヘッドを選んだのか?」という質問に対し、ユーザーは「多色化のためのフィラメントカッターMODが、Xolの方が確立されていたから」と明確に回答。これに対し、他のユーザーが「A4T用のカッターMODも存在するよ」と情報を共有するなど、活発なやり取りが見られました。

最後に

この100ドルのVORON再生プロジェクトは、単に安くプリンターを手に入れたという話ではありません。不動品に新たな命を吹き込み、自らの手で価値を創造していく。これこそが、VORONコミュニティに根付く「VORONスピリット」そのものではないでしょうか。

もし、あなたの近くに眠っている中古プリンターがあるのなら、それは次の素晴らしいプロジェクトの始まりかもしれません。

参考・引用