こんにちは、たねやつです。
先日、AI開発企業のDeepSeekから、新しい大規模言語モデル「DeepSeek-V3.1」がリリースされ、Hugging Faceでベースモデルが公開されました。 128kという広大なコンテキスト長を持つこのモデルは、ローカルLLMコミュニティで大きな話題を呼んでいます。
今回は、このDeepSeek-V3.1の概要と、Redditのr/LocalLLaMAコミュニティに寄せられたユーザーの反応をまとめて紹介します。
この記事でできること
- 新しい大規模言語モデル「DeepSeek-V3.1」の概要がわかる
- Hugging Faceで公開されたモデルの詳細がわかる
- DeepSeek-V3.1に対する海外コミュニティの初期評価や反応がわかる
DeepSeek-V3.1-BaseがHugging Faceで公開
今回Hugging Faceで公開されたのは、deepseek-ai/DeepSeek-V3.1-Baseという名前のベースモデルです。
主なスペックは以下の通りです。
- パラメータ数: 685B (6850億)
- コンテキスト長: 128K
- ライセンス: DeepSeek Model License
特筆すべきはそのパラメータ数です。685Bというサイズは、個人ユーザーがローカル環境で動かすにはかなりハードルが高いものですが、その性能への期待は高まっています。そのうちに汎用GPUでも使用できるモデルも公開されると思われます。
コミュニティの反応まとめ
Redditのr/LocalLLaMAでは、このニュースに対して多くのコメントが寄せられています。期待の声と、いくつかの懸念点が入り混じっているようです。
期待の声
- 長いコンテキスト長への期待: 128kというコンテキスト長は、より長く複雑なプロンプトを扱える可能性を秘めており、多くのユーザーがこの点に期待を寄せています。
- ベースモデルからのファインチューニング: 今回公開されたのは「ベースモデル」であり、ここから対話や指示応答に特化した「指示モデル(Instruct Model)」が作られることを多くのユーザーが心待ちにしています。優秀な指示モデルが登場すれば、ローカルLLMの活用がさらに進むと期待されています。
懸念と批判的な意見
- 冗長性の増加: オンライン版のv3.1を試したユーザーからは、「応答が非常に冗長になった」という指摘が複数ありました。以前のバージョンと比較して、簡潔さが失われたと感じるユーザーがいるようです。
- 応答品質の低下: 特定のタスクにおいて、以前のモデル(R1モデルなど)の方が出力が優れていた、という意見も見られました。モデルの性質が変化したことで、得意・不得意なタスクが変わった可能性があります。
- 「混合推論モデル」?: 新しいモデルは、チャットモデルと推論モデルが統合された「混合推論モデル」ではないかという推測も出ています。これが応答特性の変化に影響しているのかもしれません。
最後に
鳴り物入りで登場したDeepSeek-V3.1ですが、コミュニティの反応は賛否両論といったところです。 巨大なモデルサイズと長いコンテキスト長というポテンシャルを秘めている一方で、応答の質についてはまだ調整が必要な部分もあるようです。
今後、このベースモデルを基にした優秀な指示モデルが登場することで、評価が大きく変わる可能性もあります。引き続き、DeepSeekコミュニティの動向に注目していきたいと思います。
