たねやつの木

Photographs, Keyboards and Programming

VORON 2.4 R2 ビルドログ (1 - まとめ)

こんにちは。たねやつです。

今回のVORON 2.4 R2というFDM(FFF)方式の3Dプリンターを購入・ビルドしたという記事です。念願のVORONというかCoreXY機となります!

購入に至った契機

ちゃんとしたFDM3Dプリンターが欲しかった

既にFDMと光造形3Dプリンターの2種類(光造形に関しては2機)持っているのですが、FDM3Dプリンターに関してはよくわからない中華製のPrusaクローン機を使用していました。

これでもPLAフィラメントを使用していればまぁまぁきれいに私の求める品質で出力で来ていたのですが、ABSで印刷したいとか自動でベッドレベリングを行ってほしい、拡張性のある機種を使いたいというような願望からオープンソースでいろんなMODが充実している機種がいいなと思っていました。

Twitter(X)上で見ていると色々な機種が飛び交っていましたが、既製品よりも自分で作り上げる機種の方がいいな!と常々思っていました。今使っている中華プリンターも組み立ては自分で行いましたので自分の中ではFDM3Dプリンターは組み立てるものという意識があるのかもしれません。。。(笑)

キーキャップ作成の新たな境地に挑戦したい

今のキーキャップやノブの制作には光造形3Dプリンターを使用しているのですが、現在の作業環境(ガレージ内に置いている)のめんどくささや、外に置いてあるゆえ寒さで出力失敗することが多々発生します。また出力後にも洗浄・乾燥が待っているのでかなりめんどくさいです。

光造形3Dプリンターの方が積層ピッチを圧倒的に細かくできるので微細なものを作成するのに向いています。またFDM特有の積層感を生かした造形&をすることもできます。そのあたりの設計力を鍛えてみたい&自分の作品に生かしていきたいということで導入を検討しました。

購入方法

VORONを組み立てるにあたっては、一つ一つパーツを集めてプリント部品も出力する方法と、キット品を購入する方法があります。プリント部品を出力する方法や出力していただけるお友達もいなかったので、今回はキット品を購入しました。

Twitter(X)のフォロワー経由で

キット品を購入するにあたっていくつかのベンダーがあって迷っていたのですが、Xのタイムライン上でVORONやその他3DプリンターについてポストされているPsych0h3ad-P3Dさん(@YuTR0N)さんに相談して、キットの詳細や追加部品などを決めていきました。お助けありがとうございました!

SIBOORから購入

最終的にSIBOORというところから350mmビルドプレートのセットを購入することになりました。

決済からすぐにUPSで出荷され1週間程度で手元に届きました。受け取り時にVATを支払う必要がありました。

あとあと私のミスで部品をいくつか破損させてしまうのですが、その場合でも即日発送してくれたりレスポンスはメチャクチャ速かったです。

キットのスペック・MOD一覧

ざっくりとしたキットのスペックは以下のようになっています。正直FDM3Dプリンターの部品に関して知識はほぼゼロだったので今になってそれぞれの意味が分かってきています。。。(笑)

(from https://siboor.com/product-category/3d-printer/voron-2-4/)

VORON Design公式のセットアップから変更されている点は主に以下ぐらいかなと思います。

  • 5インチタッチパネルスクリーン(KlipperScreen)
  • SB2209によるCAN通信
  • VORON TAP
  • 各種エンドストップスイッチの移動

ホストにはBTT PiではなくRaspberry Pi 4Bを使用しています。BTT Piを使用するには技適未取得のためややこしいです。この辺りはSIBOORの営業担当の方とやり取りしてアレンジしたほうがいいと思います。

作成

参考にした動画・記事

VORONを購入する前から見ていたのですが、このお方の2.4のビルド動画が共参考になりました。一つ一つの手順をこれでもかというぐらい丁寧に動画化してくれているのでどういう作業を行うのかドキュメントを見てもよくわからない箇所等の補足資料としても役立ちました。字幕は英語ですが喋ったりはしないので数値だけわかればOKです。

文章としては貴志産業さんの記事が大変参考になりました。X上でもたびたびご助言いただけてとても助かっております。。

note.com

私が製作した時と同時期にサイコさんも以下の記事を公開されていました。ちょうど自分も行き詰ったところだったので後から見返してもなるほど!となる箇所が多々あります。CAN通信するような場合は参考になるかと思います。この連載でも後程掘り下げていく予定です。

www.psych0h3ad.tech

基本的には公式のビルドガイドに沿って進める

SIBOORによるMODもりもりバージョンとはいえ基本的な構造は変わっていないので組み立て時にはVORON Designの公式ビルドガイドに従って進めていきます。この辺の細かいことは次回以降のビルドログとして投稿していこうと思います。

MOD等公式外の部分はそれぞれのプロジェクトのドキュメントに従う

上記のドキュメント以外にもいろいろとあつめる必要がありました。とりあえず手元にあるものとしては

  • StealthBurner
  • VORON TAP
  • Octopus Pro
  • Phaetus Dragon HF
  • BTT SB2209

が必要でした。この辺はVORON初心者かつSIBOORのGithubリポジトリにも当時は特に表記がなかったのでかなり分かりにくく苦戦しました... Octopus Proへの配線方法などはあったので迷うことはありませんでした。

今現在リポジトリを確認してみると該当箇所のマニュアルが抜粋されているのでかなり分かりやすくなっていました!

わからないことはDiscordかX(Twitter)で聞く

作成途中でこのまま組み付けてもいいのか、ソフトウェア面で上手く行かないなどあるとやさしいお兄さんお姉さんたちがTwitter(X)上で教えてくれました! タグに#VORONとつければどなたかは反応してくれると思います。

またSIBOORのDiscordもあり参加人数も1000人ほどいるのでより詳細に聞きたいときはコチラがおススメです。購入を考えている段階でも質問できるのでわからないことはすぐに聞いてみましょう。

出力

いろんな問題点をクリアしつつ、2か月近くポチポチ作っていってようやっと動いた時の感動はソリャもうすごいものがありました!

最初に出力できたものはElephant Footがひどかったり正しい寸法が出てなかったりしましたが何はともあれ無事に樹脂を溶かして積層できたので一安心です。

最後に

ハード・ソフト両方の知識はある程度必要

3Dプリンターを初めて買いますという方やソフトウェア(Linuxやネットワーク周り、git操作方法など)関係の知識、電気・配線等も必要になってくるので万人におススメできるようなものではないかなと思います。電気関係の知識が自分は乏しかったので一番最初に電源を入れるときは家の外に持っていきスイッチオンしました(笑)。結果的に問題はなかったのですがよくわからない場合はそれぐらい慎重になったほうがいいでしょう!

Linux関係の操作は知らないと初期設定でかなり手こずると思います。特にこのキットではCAN通信を行うのでネットワークのインターフェースを追加したり等。。。自分もあまりやったことない作業だったので少々時間がかかりました😭

とはいえSIBOORのキットでは最初からOSが焼かれたSDカードが付属しているので大きな問題にならないかと思います。ただしBTT Piを使う点だけは留意する必要があります。

想像していたよりずっと簡単だった

Twitter上で2-3年前に見かけた時から絶対にこんな複雑な機械を組み立てられないだろうなぁと思っていたのですが、実際に作り始めてみるとドキュメントが製品レベルで整っていたりSNS上やDiscordでヘルプしてくれる有志がたくさんいたので想像の数倍すんなりと組みあがりました。

配線に関してもSIBOORからわかりやすい表があったので迷うことはなかったです。それよりも端子のカシメが上手く行っていなくて接続不良となったりすることに悩まされました。。。

今回はホストにBTT PiではなくRaspberry Pi 4Bを使用することにしたのでSIBOOR標準キットのOSイメージは使えず自前で用意する必要があります。この辺はRaspberry Piを色々使ったり普段からLinuxサーバーをいじることが多いので1点以外苦戦することはなかったです。

もともと自作キーボード界隈にいたこと、クルマ弄りが好きなこと、すでにFDM3Dプリンターを持っていた(謎中華メーカーのPrusa i3)等の経験があったのでわりかし簡単だったのかもしれません。

次記事

次回からはざっくりとビルドログ的な感じで作業時に詰まった点、参考になった点などを踏まえて完成までを振り返ってみようと思います!

www.taneyats.com