こんにちは。たねやつです。
久々の更新となりますが、自作キーボードネタです。
Avionという名前のキーボードを基板の設計、ケースのモデリングから作成しました😍
自作キーボードをいくつか作っていると、自分の希望の形をした究極のキーボードが欲しくなってくるのです。。。(笑) これを界隈では「エンドゲーム」なキーボードと言います👀
今回は初めてということもあってまだまだ自分のエンドゲームには程遠い感じにはなっていますが愛着感はマックスです😎
そんなキーボードをちょっとご紹介いたします。
特徴
基本情報
- 12列 x 4行 + 5キー の53キー
- 40度の開き角度
- Artisanキーキャップ置き場搭載
- ProMicroがチカチカ
Avion
の意味はスペイン/フランス語で飛行機です。本当はAvión
なのですが文字コードなどの制約でアクセント抜きです。
インスパイア元のAtreus
というキーボードと同じ頭文字で「翼のあるsomething」の名前がいいと思い、一番に思い付いたのがAvión
でした。
翼のような見た目
このキーボード作成に至った最大の理由は「翼を広げたような見た目のキーボードが作りたい」というものでした。すでに同じような形の一体型分割キーボードは多数存在していて(Atreus
、NumAtreus
など)その見た目にインスパイアされています。
それらのデザインを参考にしてより翼のように見える(?)ために両翼をつなぐ一点として中央に45度回転したキーを一つ配置しています。これによって細い身体から生える大きな翼というような見た目になっています。実用性よりも見た目重視です(笑)
人差し指と中指の列を起点として、キーボードの外側に向かうにつれて0.5u
(キー半分)ずつ下がっていきます。自分の手の形的に薬指と小指の列は同じ高さになっています。合わせてここも0.5u
下げてしまうと一番外側の列の上下のキーが極端にホームポジションから遠くなってしまい、小指と手首にものすごい負担がかかります。今回の最終版の配列では、一番下段・一番外側のキーは一つだけ飛び出した形になっているので、小指の先端以外の部位で押すことができるようになっています。
こんな感じで小指を曲げずに押すことができるので非常に楽です。
最内側に配置している4つのキーは一番動かしやすい人差し指のためのキーです。これはHelix
を使っていてとても使いやすかったので参考にしています。
キーマップにはカッコやダブルクォーテーションなどの対になる文字を割り当てています。この部分にバックスペースやエンターを割り当てると小さなErgoDox
のような感じで使うこともできそうです。
まだ親指、人差し指内側にそこまで機能を割り当てるキーマップを試したことがないのでいずれチャレンジしてみます。
両親指でアクセスできるお立ち台
先ほど紹介した身体の部分のキーは、少し遠いですが両手親指で均等にアクセスできるようにしています。自分は左利きなので好き勝手にデザインしてしまうと、大多数の人には何となく使いにくい配置になってしまうと思われます。ので両手で均等に使えるようにを念頭に置いています。(そもそもの普通のキーボードが左右非対称な点はありますが...)
と言ってもあまり頻繁に使うようなキーではないのでここにはデフォルトではIMEの絵文字キーボード起動のショートカット(Win + ;
)を割り当てています。ショートカットキーを押すと配置的に両手を使わなければならなかったり、間違えてWin + L
なんて打ってしまうと、画面ロックしてしまったりするのが鬱陶しいですよね🤣🤣
後付けの設定になってしまいますが、頻繁に使うキーでないからこそArtisanキーキャップを置く場所には最適かもしれないです。ど真ん中にいるのでとても目立つんじゃないかな??私はそのようなキーキャップを現在は持っていないので手に入れたら試してみたいです🤔
今は45度の穴しかあけられていないので、次バージョンでは角度なしのフットプリントも追加しようかと思います。多くのArtisanキーキャップは向きがありますので。
丸見えのProMicro
ProMicroというのは、キースイッチを押したときにそれをPCが認識できる文字に変換してくれる機械のようなものです。
中央に配置しているProMicroは特にカバーもなく、しかも表向きに実装しているので電子部品丸見えです。裏向きで実装した方がUSB端子のモゲ防止になりそうな気もしますが、電子部品むき出しにロマンを感じる人間なので表向きとなっています。
後々から紹介する打鍵に合わせたLEDのチカチカもできるようになるので利点(?)ですね!光芒も相まって怪しいデバイス感漂ってます。
USBの部分が基板の外側に出ていないので、あまりに大きすぎるUSBケーブルは刺さらなくなるので注意が必要です。この自キ温泉ガイドのサリチルさん(id:Salicylic_acid3)さんにご指摘いただきました。すでにガーバーを投げてしまった後だったため、とりあえず小さめのUSBケーブル or メスのピンヘッダでソケット化 & 高さUPで対応しようと思います。
ダイオードももう少し見栄えの良い感じにディスプレイしたかったのですが、センスと技量不足で今回は見送りました。
打鍵に合わせてLEDをチカチカ
これはハードというよりも、キーマップを制御しているQMK
というファームウェアのカスタマイズになります。まだまだLED実装の回路をよく理解していないのでキーごとのLEDは実装していません。それでも「何かチカチカしたい!」という欲だけはあったのでProMicroについているTX/RXのLEDを光らせてみました。
record->event.key.colで列を取得できました。 pic.twitter.com/zDXgTrCltu
— taneyats (@taneyats) June 1, 2019
当初はランダムで左右のどちらかを光らせていたのですが、キー打鍵時イベントで列の値を取得することができるようなので左翼打鍵時は左のLEDという感じできれいに光らせることができました。
実際にキーボードを打っているときにはあまりここを見ることはないのですが、はたから見るとなんかチカチカしてヤバそうな奴感を出せるかもしれません!
ケースは3Dプリンタで出力
基板はKiCad
、ケースの3DモデルはBlender
で作成して3Dプリンタで出力しました。せっかく3Dプリンタも持っているのでここも自作してやろうという感じです。
ケースといっても、基板下の突起物(スイッチの足)が机に接触しないように下駄を履かせる程度で、基板をねじ止めするような機構にはなっていません。基板に固定用のねじ穴はあけているのですがねじが大嫌い & 固定しなくてもいい感じなのでそのままにしています。
Kailh chocスイッチを乗っけた場合は薄さを追求するためにケースもつけず、基板にゴム足をつけてそのまま使用しています。長い目で見た時の耐久性に関しては若干疑問ですが、意外と打鍵した程度では気になるほどのたわみはないようです(ちょっとカタカタしますが)。
Kailh choc対応
今までCherry MX互換のキースイッチしか使ったことがなく、試したかったためフットプリントにロープロファイル用の穴を追加しました。
左から、割と薄めのノートパソコン(Chromebook C101PA)、Kailh choc版、Cherry MX互換版を比較してみた感じが以下です。
パームレストの関係もありますが、Kailh chocで基板のゴム足をつけただけの運用だと、ノートパソコンよりちょっと分厚い程度です。ほぼほぼキーキャップ一枚分の高さだけ高い感じです。
ロープロファイルスイッチを使っているとMX互換が使いたくなってきて、逆もまた然りな感じがあってなかなかどっちがいいか決め切れていません🤣
使ってみた感じ
やはり自分の作りたいように作ったレイアウトなので最初からそこそこ馴染んでくれます。角度がついているのでPlanck
のような12列のキーボードより少し横幅が大きくなってしまっていますが、手の開きにしっかりフィットしてくれています。
3Dプリンタでプロトタイプをいくつか作りながら、「この列はもう少し下げよう」や「両手の開きはもう少し大きくしよう」といったことができたので初めてながら基板発注一発でいいものが完成しました😏
一番の失敗点かな、と思うところはキースイッチのプラスチック足用の穴が若干大きかった点です。これにより5ピンのスイッチをはめても結構ブカブカしてしまってキーがちょっとずつずれています(打鍵にはほぼ問題になっていないと思う)。
データシートの寸法上は間違っていないのでおそらく製造時の問題なのかもしれません。この点はどのように解消すればいいのかよくわからず。。。次の発注までには知見を集めておきたいです。
最後に
ちょっと長くなってしまいましたが、以上が初めて作成して自作キーボードAvion
についてでした。基板やケースの作成にあたって、Twitter上で助言や励ましをくださった皆様に大変感謝しております🙇️
QMKのカスタマイズや、基板なんてよくわかんない状態からどうやって作っていったかなどに関しては、これから記事でまとめてどんどん皆さんを自キ沼へ沈めていこうと思います。
このキーボードももっとブラッシュアップして皆様のもとに届けられたらな!と思います👏👏👏
この記事はAvionで書きました。