たねやつの木

Photographs, Keyboards and Programming

キーキャップのプロファイルを自作する(白玉プロファイル

こんにちは、たねやつです。

今回の記事の内容はキーキャッププロファイルをふんわりと自作し始めた話です。

いつもは変な形のキーキャップばかりを作っているのですが、これは割と実用的で真面目なキーキャップになっていくと思われます👀

内容

ことの発端

最近のメインキーボードはGMK Laserをつけて定着してしまっているのですが、もともと自作キーボードを始めたころはXDAプロファイルとDSAプロファイルのような平たくて均一なキーキャップが好きでよく使用していました。

GMK(Cherry)プロファイルをほぼほぼ1年ぐらいずっと使っていてちょっと飽きてきたのでなんかいいキーキャップないかなーと思って探していたのですが、自分で作ったほうが安いし早くね?となったので作成しました。全然そんなことはない(はず)のですが。。。

当初はSAプロファイルのようなゴツくて行ごとに傾斜角度の異なるもの(所謂ステップ・スカルプチャ?)を作成しようかと思ったのですが、ちょっと難易度が高そう(考慮すべき項目が増え、直感的に作れなくなりそう=楽しくなさそう)なので、1モデルで完結するようなものにしました。

イメージとしては角張った部分がなく打面の広くてまるっこいキーキャップというものが最初からあり、とりあえず適当に球体をしかくくして表面をでっけぇー球で削り取ったものが以下の試作となります。製作方法はv3まで特に大きく変わっていません。

試作v1

一番最初に作ったのはかなり凹みのきついタイプとなりました。

完成当初は見た目のインパクトも強くいい感じかな?と思ったのですが凹みが深すぎて行列移動時に指に引っかかるというような状態となってしまいました。ホーミングキーやマーキングしたい箇所などには抜群にいい気がしますが、全キーこれにしてしまうとちょっと使いにくいです。

また極端な軽量化を行うとどうなるのだろう?と思ってギリギリまで肉厚は薄くしています。総重量0.6gとなりCherryプロファイルのR1の約半分ほどとなります。

薄くしすぎた結果、打鍵感が若干ビヨンビヨンする感じです。振動が直で反響してくるというかキーの重さがないのでバネの動きがピーキーというか...(笑)これはナシとなってしまいました👀。天面から軸もうっすら透けて見えます。

この試作段階では高さ薄いのと分厚いのと2パターンあります。薄いほうは軸も合わせて短くしている(2mm程度)ので打鍵時の安定感に欠けたのでやめました。多分Choc軸として作れば生きる道はあったのかもしれません。。。

厚い方は通常の軸の長さ(3.6mmぐらい)に合わせてキーキャップのスカート部分を伸ばした形状です。コチラの方が見た目もGOODな気がしたので以降のバージョンもこれの改良版となります。

試作v2

v1では軽すぎたのと、凹み過ぎたのでそれらを改良したものです。天面以外の基本的な寸法は同じとなっています。

キー本体の肉厚も増したおかげかよりもっちりしっかりした印象となりました。重さも1.1g程度まで増量しほぼほぼ一般的なキーキャップと同じとなりました。打鍵感も以前のようなビヨンビヨン感はなくなったのですが、今回は逆に平たくしすぎてしまいました。個人的にはもう少し凹んで、縁をなぞると何となく輪郭が分かるぐらいがいいのでそれで調整します。

試作v3

凹み具合を3パターンぐらい調整したのですが、v2からほんの少しだけ凹ませたものが個人的にピッタリ来ました!

キーキャップ内部のスイッチとのクリアランスも十分問題ないようです。本当はちゃんと測って作るべきなのですが面倒なのでいつも失敗したら拡げりゃいいか程度に考えています🤔

一旦これで片手分印刷してみた感じがこんな感じ。色味はテストもかねて何色かで試してみています(同じシリーズのレジンなのでそこまで差はないですが、白系は若干膨張しがちです

タイピングテストとかで打鍵してみた感じも良好です。音も個人的にはそこまでチープな音はしないですね。

まだ完成版とはしていないですが、ここからもう少しだけ調整を加えて、各u分も作成していこうかと思います。スペースバーまで作れたら万々歳ですね👀

動かせる3Dモデルはココ

OpenSeaにて閲覧用の3Dモデルを表示しています。平面の画像よりもいろんな角度から見れるようになっているのでご覧になってみてください!

機材など

今回もZBrushを使用してモデル作成、Blenderでレンダリングという感じです。ZBrush内でのレンダリングでもいいんですが、Blenderの方が素材感や影をうまく表現しやすいのでGoZで連携して持ってきています。

使用したプリンターはAnycubic Photon Ultraです。ちょっと前に購入したDLP方式の光造形機です。今回のようなモデルには細かいディテールの表現力は必要ないですがかなり高性能な家庭用光造形機です。細かいことはコチラの記事でまとめています(現時点で最後まで書ききれてないですが👀

製作過程

ざっくりとしたものですが、こんな感じです。

まずは半分にした真球を用意して四隅を引っ張って底面だけを四角くします。ZBrushでいうデフォーマを使用するとキレイに正しく引っ張ることができます。この時にどれだけ球のてっぺんに向けて角度をつけるかでキーの印象が変わります。緩慢な角度にするほどぼってりとした見た目になり打面を広くとることができます。

完成したモデルに巨大な球を押し当ててブーリアン演算の減算で打面を作ります。どれぐらいでかいかというとこれくらい。

球を小さくすると打面のRがきつくなり、大きくするとより平坦になります。また押し付ける深さでも変わりますのでここはいろいろ試行錯誤ですね。。。

ブーリアン演算でもぎ取ってグループを保持したままリメッシュをかけるとこんな感じになります。

そのままだとエッジが鋭すぎてコンセプトに沿わないので角を落とします。いろんなやり方がありますが今回は単純にディバイドしてちょっとだけポリッシュを実行します。

奥のモデルが角を落とす前で、手前が落とした後です。これで肌触りもよくなります!

今回作ったモデルはここから軸の長さに合わせてモデルをZ軸に引き延ばしています。もともとが薄いキーキャップを作る予定だったのでこのような手順になっていますが、最初からもっと軸の長さ分を保持したモデルで作成したほうが手順が簡素かと思います。

そのモデルを縦に引き延ばし、複製した90%程度のモデルでスカート部分作成し、軸を取り付けると完成!

文字と操作だけを書き連ねると簡単ですが、打面のRと深さの調整は何回もやることになりました。。。こういう時に3Dプリンターがあると試行とチェックを爆速で行えるのでいいですよね👀

今後

ある程度の反響があったのでちゃんと製品化して頒布しようと思います。現状はまだ試作段階ですが、ここからもう少しディテールの更新と扱いやすい3Dモデル数種類にしてBOOTHでお配りしようかと思います。

試作版を販売したページが以下となります。製品版もそのままこのページで販売となる予定ですので気になる方は是非チェックお願いいたします!商品の入荷メール設定をしていただくか、へちょあまの工房@たねやつ支店をフォローしていただければ在庫追加時に通知が飛ぶかと思います👀