たねやつの木

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VORON 2.4 R2 ビルドログ (14 - StealthBurner完成 / SB0000の配線)

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、StealthBurnerのTool Cartridge部分と顔部分を進めていきます。これでVORON 2.4 R2の象徴的なStealthBurnerが完成します!

前の記事

前回はStealthBurnerのエクストルーダー部分(CW2)を作成しました。

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Phaetus Dragon HF

SIBOORのこのキットについているホットエンドはPhaetus Dragon HFです。

PLAやABSのような普通な素材やカーボンファイバー入りABSのようなさらに高温で出力しなければならないフィラメントでも使用できるようですが、正直他のホットエンドを試したことがないので比較できず...

使いやすい点としてはヒートブロックと青い本体部分(Heat Dissipation Frame)が2点のボルトで留められているため、ノズル交換時にノズルだけ外してそのまま交換することができます。他のものであれば一旦ヒートブロックを緩めて交換後、再度樹脂が溶けている間にブロックを締めあげるHot tighteningと呼ばれるような作業が必要になりますがこの機種では不要となります。

Dragon HFの詳細は以下のページにあります。

DRAGON HOTEND HF

ホットエンドによってプリント部品が違う

Tool Cartridgeの部分のプリント部品は、使用するホットエンドによって若干違います。

ビルドガイドではE-RVと刻印されているものが表示されていますがこれはE3D Revo Voronようのものとなります。ほかにもE3D V6用などありますが、Phaetus Dragon HFで使用するのはP-DRGと刻印のあるものです。大まかな形状は全部同じですが、ホットエンドを固定するネジの位置やヒートシンクの形状が若干異なります。

パーツが2つあるので自前で印刷する時は忘れずに両方出力します。

ホットエンドをプリント部品につける

特に複雑な作業はないです。

VORONは前回作業した通りダイレクト方式のエクストルーダーなのでこのBowden CollectCollect ClipAdaptorは不要となりますので取り除きます。

Adaptorを外すためにはフレームの内側からM2 Cup Head Screwを緩める必要があります。このネジの頭はとても小さく簡単に舐めてしまうので、精度の出ている六角レンチでゆっくり、ネジに対して垂直に力をかけながら舐めないように回してください!最悪片方舐めてしまってもAdaptor部分をペンチなどで掴んで捻れば回すことはできます。。。(実体験

ホットエンドを大きい方のプリント部品にはめ込みます。配線関係が左側(ADXL用のヒートセット穴が無い方)に来るようにセットします。

もう一つの部品と挟みこんで上から4点をボルトでプリント部品とホットエンドを固定します。Dragon HFの場合このボルトも先ほどと同じく舐めやすいので無理やり作業しないようにしてください。ここはL字の六角レンチだとどうしてもボールエンド側で回さないとダメなので、ビットドライバーなどを使用したほうが安全です。

この辺り写真撮ったと思ってたのですが全然残ってません。。。(笑)

PTFEチューブを取り付ける

ツールカートリッジのフィラメント入り口にPTFEチューブを付けます。正直効果はよくわかってないのですが摩擦軽減とかのためですかね??

長さが指定されているので注意してください。PTFEチューブはペンチとかで切った場合、切り口がつぶれてしまうのでペンチなどで真円に整えてから差し込みます。これでツールカートリッジ部分は完成です!

フェイス部分

次に前面を覆うフェイス部分の作成を進めます。個人的に細かな設計上の配慮が垣間見えて作っているうちで感動が大きかった箇所です。

LED・ホットエンドファンのセット

最初にホットエンドを照らすLEDとVORONロゴのLEDを取り付けます。SIBOORキット品ではこの部品最初から配線済みで手順書通りに組み込むだけでした。簡単!

ホットエンドファンも組み込み、配線をガイドに沿ってくみ上げた状態です。この辺のパーツ組み込み時に自動的にパージするサポートや配線の逃げ道などメチャクチャ組み立てやすい(印刷もしやすい)設計をされていて感動しました👀。

クーリングファン

クーリングファンに使用する5015ファンはカバーを外してネジ留め用部分をヤスリなどで削り取る必要があります。最初に大雑把に大き目のニッパーなどで取り除いて棒ヤスリとかで整えます。目に見える部分ではないのできれいに仕上げる必要はありません。棒ヤスリは100均で売っている粗目のヤツが使いやすいです。こういうやつ。

セットするとこんな感じでピッタリ収まります。

EBB SB0000を取り付ける

CAN通信用の基板を使用する場合盲ひと手間必要です!SIBOORのキットではBigTreeTechのEBB SB2209/2240を使用してファームウェア(Octopus Pro)とを1本のケーブルだけで繋ぐようにします。ビルド用のマニュアルは以下から入手できます。

本来のStealthBurnerではここまでで作業は終了ですが、CAN通信をする場合はSBOOOOという基板を追加でつける必要があります。

といっても現段階では基板をセットして配線処理するだけなのでそこまで難しくはないです。

クーリングファンの上にセット

クーリングファンを止めているネジを一旦外してSB0000の基板も一緒に停めるようにします。おそらく標準のネジでは長さが足りないはずなのでしていされたM3x10 BHCSのネジを使用します。SIBOORキットでは付属していました。

強く締めこみすぎると土台のプリント部品の積層を割ってしまうので注意してください。実際割ってしまいましたが造形に問題ないのでそのままにしてます...

配線について

ここからちょっと慣れが必要な作業となってきますが頑張っていきましょう!!!

SB0000にLEDとホットエンド用のファン、パーツクーリングファンの配線をとりつけていくのですが、現状では配線の長さが長すぎてStealthBurnerをくみ上げた時にちゃんとボルトを締めて閉じることができないはずです。各モジュールの配線はある程度余裕な長さで配線されているので、いったんその配線を詰めてStealthBurner用に最適化する必要があります。

最終的にはこんな感じで必要最低限の配線の長さになりすっきりと仕上がります。

SB0000にセットするファンの電圧を調整するジャンパーピンは次に紹介するSB2209(RP2040)の部分でセットします。

配線に必要な長さをチェック

実測で配線に必要な長さを測ってちょっと余裕をもって必要な長さ分だけ配線をカットします。まあ短く切りすぎてもはんだ付けして配線を伸ばしたりできるのでこういった作業を初めてする場合でも気負いせずに行きましょう!この辺はマニュアルでも長さが指定されていないので自分の感覚で進めてください。

配線をカットしてピンをカシメる

配線をカットしたら以下の手順でコネクターに装着まで進めていきます。

  • 導線が複数本ある場合、長さを揃える。
  • 配線の端を数ミリ分、ストリッパーで被膜を剥ぐ。
  • 配線を撚って1本の束にする。
  • カシメ工具を使って被膜部分を一旦カシメる。
  • 導線部分をカシメる。
  • 導線分繰り返す。
  • ピンの返し部分を立てる。
  • 順番に気を付けながらコネクターにピンを挿入する。
  • コネクターからピンが抜けないことを確認する。

この辺の端子付け(Crimping)のルーティーンは初めて電子工作をする方は、VORONをくみ上げる頃にようやく慣れてくると思います。。。(笑)

例のVORON組み立ておじさんもCrimpingに関して細かくやってくれているので参考にしてみてください。

使う工具はラチェット式のものが圧倒的に使いやすいです。昔はペンチ式のものでやっていたのですが手の疲れや作業のしやすさが段違いです。

後は大量にこなして慣れるしかないですね。。。SIBOORのキットであればピン部分は十分余裕があるので数十個ミスっても大丈夫でした。

配線する

コネクターをつけて配線をするとこんな感じになります。ケースと基板の隙間にいい感じに配線を逃がします。

SIBOORのGithubにある配線図も必ず目を通してプラスマイナス間違っていないか確認してください。

各部品完成!

これでStealthBurnerをガントリーに取り付ける準備ができました!

次の記事

次回はガントリーのTAP土台にStealthBurnerを取り付けていきます。

VORON 2.4 R2 ビルドログ (13 - StealthBurner / CW2)

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、StealthBurnerの組み立てを進めていきます。フィラメントを溶かして押し出す3Dプリンターのメインとなる部分でVORON 2.4 R2の象徴的な部分ですね!この連載のバナーもStealthBurnerをフィーチャリングしたものです👀

前の記事

前回はABベルトを張ってテンションを整えるところまで進めました。

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StealthBurnerのリポジトリ

StealthBurnerはVORON 2.4 R2の標準のツールヘッドとなっていますが詳細なビルドガイドは別のGithubリポジトリにあります。

StealthBurnerが公開されるまではAfterBurnerというツールヘッドが使用されていました。

大まかに3つのパーツで構成される

StealthBurnerは大まかに3つのパーツで構成されています。

ヒーターファンとクーリングファン、今回であればCAN通信用の基板を載せるためのフェイス部分、フィラメントを押し出すためのエクストルーダー部分(ClockWork2)、ホットエンドとクーリングダクトのツールカートリッジ部分となります。

それぞれのパーツが独立しているのでホットエンドを別のものに変更したい場合やフィラメントを送り出す部分のメンテをしたいという場合に分解と再組立てが非常に簡単となっています。フェイス部分の4本のボルトを外すだけで3パーツに分解できるので数分でこの状態に持ってくることができます。CAN通信基板を使用する場合は配線も1本だけなので!

ヒートセットインサート

StealthBurnerにももちろんですがヒートセットインサートを埋め込んでいく必要があります。以前の記事で全部まとめて作業したのでそちらを参考にしてみてください。

ClockWork2部分

ガイドラーアーム

フィラメントとエクストルーダーのギアを挟み込む部分のです。ギアに彫ってある溝の向きに注意して組み立てます。

アイドラーのシャフト部分に潤滑油を塗る必要があります。なくても動作はしますが部品の摩耗などを考えると塗っておいた方がもちろんいいです。私は手元にあった適当な自作キーボードで使用するGPL205(通称ルブ)を塗っておきました。スーパールブとか一家に一つあれば便利ですね。

フィラメントを挟み込む強さを調整する部分なのですが、細かいパーツが多いです。私のSIBOORキットはこの小さなワッシャーみたいなのがなかったので適当なワッシャーで代用しました👀。あとから調整するのでいい感じにねじ込んでおきます。

モータープレート

エクストルーダー用のモーターとギアを組み込む部分です。 プリント部品の方のベアリングが上手くはまらない場合は穴を少し拡げるか部品を再印刷する必要があります。きつすぎる場合はフィラメントを押し出しすぎでしまうようです。

ドライブギア

寸法が指定されていますが、これも後程実際に嵌めてみて問題ないかチェックしたのちにネジロック剤を塗ってください。

ここまで組んだ時にプリント部品の上下の溝とドライブギアの溝が一直線に並んでいる必要があります。

実際に1.75mmフィラメントを通して作業していきます。

ここのボルトの締め具合でテンションアームの動きの緩さが決まりますので好みの固さにします。

テンションをかけてみる

ここまで組めればテンションをかけてフィラメントを挟み込むことができます。フィラメントを引いたり押したりしてギアが回転していればOKです。

モーター取り付け

モーターを取り付けます。配線がどっちに来ても問題ないはずですが私は上側に出しました。

2つ目のボルトをある程度締めたらモーターのギアと、プラスチックの大きなギアの歯がかみ合う位置に調整してボルトを完全に締めます。大きいプラスチックのギアを動かしてみてモーターのギアとかみ合ってるかチェックしたら完了です。

アーム・カバー取り付け

最後にアームとケーブルカバーを取り付けたら完了です。CAN通信の場合は基板を固定するためのものになります。

ケーブルカバーを固定するためのボルトはテンションアームを解放した状態でないとアクセスできません。カバーは結構薄いので積層に沿って割れやすくなっています...。割れてしまっても造形に影響はありません。

次の記事

次回はツールカートリッジ部分を進めていきます。

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VORON 2.4 R2 ビルドログ (12 - ABベルトを通す)

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、ガントリーにABベルトを通していきます。かなり細かい部分の作業が必要になりますので根気強くやっていきましょう。

といっても文章で説明するのは難しくぶっちゃけ動画とマニュアルと実物をにらめっこして進めていくのがいいと思います。完成品を見たことがあればCoreXYの構造が分かるので作業しやすいかと思いますが、初めてだと結構謎な部分でした👀。

前の記事

前回はVORON TAP部品を作成しました。

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動画でイメージをつかむ

私が作業時に参考にした動画です。いつものVORON組み立ておじさんの動画ですが丁寧で参考になりますね!

この方はVORON 2.4を組んでいるので現在のR2とは若干作業工程が違うようで、ガントリーをフレームに組み込む前に作業しているようです。ベルトの掛け方は同じとなります。

作業時に覚えておくこと

作業する前に以下の2点に注意してください。

  • 曲がり角にはベアリング・プーリーがある
  • 歯のあるところは必ずベルトのギザギザ側が当たる
  • ベルトがねじれないようにする

また、作業に当たっては細くて長いピンのようなものがあるといいです。私は爪楊枝や竹串しを使用しましたがベルトを傷つけないようにしましょう。

ベルトはキット品の場合は半分で切っておきます。この時ベルトの歯の数が一致するように切ります。後からベルトのテンションを調整する時に数を合わたほうが正確に2つのベルトのテンションを合わせることができます。

作業

TAPのメイン部分でベルトを固定する

ではAベルトをかけていきます。まずはTAPのメイン部分の左側上部にベルトを引っ掛けます。ベルトのギザギザが自分側を向くようにセットします。裏から前に持ってきて小さい穴に通してTAP本体ごとX軸レールのブロックに固定します。

これは全部ベルトを通した時点の画像ですがこんな感じになります。ボルトをある程度締めておくと外れなくなるので作業しやすいです。この辺若干SIBOORキットとTAPの最新マニュアルとで部品に乖離がありますがとりあえず組めるのでOKでした。

ルートを辿りながら通す

順番にベルトを通していきます。最初にX軸レール左側上部のベアリングを通し、左奥のモーターの後ろ側にまでまわします。

ココがかなり難しいですが、くねくねしながらAドライブのモーター部分のプーリーにベルトをかけます。一回で通すのは難しいのでプーリーの見えている丸穴から一旦上にベルトを十分引き出して、3つ目のベアリングにかけるようにすると簡単でした。

ベルトがねじれるとやり直しになるのでしっかりとプーリーの歯とベルトの歯がかみ合っていることを確認します。

次にX軸レールの右側の裏を通りながらアイドラー部品の中を通します。これも狭い場所なので竹串を駆使しながら通します。手前のM3x40のボルトはこの作業時に一旦外しても問題ないので外した方が作業しやすかったです。

最後にX軸レール右側の表側にあるギザギザプーリーにベルトをかけてTAPのところまで戻ってくると通しは完了です。同じ手順でTAPの右側上部にベルトを通して一旦固定します。ベルトは手の力でできるだけ張ってたるみが少ない状態にしておきます。

両端の余ったベルトはまだこの段階ではそのまま余らせておきます。後からベルトの張りをチェックしてから切ります。

Bベルトも同様に行う

片方できてしまえばほぼ同じ手順の鏡写しでガイドを見ながら作業を進めていきましょう!この状態になればOKです。

チェック

2つのベルトにたるみがほとんどないことを確認して、すべてのベアリング・プーリーにしっかりとベルトがかかっている状態であれば、X軸レール上のTAPを左右に動かすと両方のベルトがスムーズに動くはずです。もしベルトのねじれやうまくベアリングに乗っていない部分があればこの段階で修正します。

ベルトの長さを調整する

後はベルトの張りをしっかりとしていきます。

最初にアイドラー部品部分のボルトを調整します。

最初の方にZベルトのアイドラーでも同じことをやりましたが、外れる直前ぐらいまでボルトを緩めて4回転分締めこんだ状態を初期状態とします。

まずは左側のベルトの余った部分のコマ数を揃えます。長さよりベルトの歯の数で合わせる方が正しい結果となります。TAPとリニアレールブロックを止めているボルトを緩めてベルトを調整します。完了したらボルトを再び締めて外れないようにします。

右側のベルトの余りも同様にやりますが、強めに手で引っ張りながらこっちもコマ数をそろえた状態でとめます。厳密にはベルトの振動音からテンションを測る方法とかありますが一旦は保留です。

ピッタリ両側同じ長さにそろえられたら余分のなベルトを切りますが10コマ分ぐらい残して後からも調整可能な状態で切ります。

X軸レールの平行が保たれているかチェックする

ベルトの張りを整えたら以前行ったX軸の平行チェックを再度行います。

手前と奥で以前と同じように両端タッチするようになっていればOKですがベルトのテンションがかかり少しだけズレる場合があります。大きくずれてしまっている場合はアイドラーのボルトを緩めて、ベルトのテンションを解放した状態で同じように調整を行います。

ほんの少しだけズレている場合はズレている方のアイドラーを締めるか逆側のアイドラーを緩めることで解消する場合があります。

アイドラーを少し締めあげてベルトテンションを上げる

最後にアイドラーを締めてベルトテンションをあげておきます。この段階でテンションを厳密に測ってもいいですがいい感じのところまで上げておきます。

ベルトのコマ数が一致しているはずなので両側同じだけアイドラーを調整すると2つのベルトにかかるテンションが同じとなります。以上で完了となります。

次の記事

次はStealthBurnerの組み立てを進めていきます。

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VORON 2.4 R2 ビルドログ (11 - VORON TAP 組立)

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、VORON TAPの部品を組み立てていきます。この部品の組み立て自体はボルトを締めあげていくだけで簡単ですが、一部構造的に非常に脆い部分があるので注意が必要となります!

前の記事

前回はZ軸レールの平行を調整しました。

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VORON TAPについて

VORON TAPはZ軸のエンドストップスイッチをツールヘッド自体(StealthBurner)に搭載したModとなります。ほかの手段としてはホーミングやレベリング時にだけセンサーを装着して検知したりする方法があるのですが、個人的にTAPが一番スッキリして複雑度が低いのかなぁと思っております。

動作時にはツールヘッド本体が上下するので最初は結構不安な見た目をしてますが、慣れればかわいい動きに見えていきます👀

Githubのプロジェクトは以下にあります。Manual内に組み立て用のドキュメントがあります。

サポート除去

まずはプリント部品についているビルトインサポート部分を取り除いていきます。細かい部分が多いので本体の部分ももぎ取らないようにしてください。

磁石のセット

小さい部品に磁石をセットします。極性は気にしなくてOKです。磁石とプリント部品の間には接着剤を塗ってください。大抵の瞬間接着剤であれば問題ないと思いますが私はレジン工作で使っているこの接着剤を使用しています。VORONとは関係ないですが乾燥後も透明度が高く見栄えがいいです!

推奨手順としては、

  • 机の上に磁石を置く。
  • 磁石の上に接着剤を一滴垂らす。
  • プリント部品を押し付けてはめ込む。

らしいです。

ヒートセットインサート

ヒートセットインサートは以前の記事にて全部まとめてやったので割愛します。作業が必要な場合はそちらを参照してください。

組立

センサー部分

エンドストップのスイッチ部分をセットするための台座をメイン部分に取り付けます。斜め向きに取り付けるので少し難しいですが取り付けたヒートセットインサートにしっかり通っていることを確認して締めてください。

2.5mmの隙間を残す必要がありますがそこまで厳密じゃなくてもOKです。ここにStealthBurnerの上の部分がセットされるので後からいくらでも調整可能です。

SIBOORのキット品ではPCBの一体型部品なのですが、そのまま基板ごとここにセットします。

磁石用のボルトをセット

磁石をくっつけるためのボルトをここにセットします。これも斜め向きになっているためうまいことねじ込んでいく必要があります。周りの面とツラツラになるぐらいまで締めていきます。

この部分はStealthBurnerの下部分が乗っかるために必要なので忘れずにセットします。

磁石をセット

最初に作った磁石の部品をメイン部分の六角形の穴にセットします。磁石部品の側面に四角いマークがあり、2つある方を左側、1つしかない方を右側にセットします。

両サイドからボルトで固定しますが磁石部品がカタカタ動く程度に仮締めしておいてください。あとから調整します。

レールをセット

一番メインの部分となりますが、真ん中にリニアレールのレール部分をセットします。事前にブロック部分は退避用のプラスチックレールにセットしておいてください。

ここで使用しているレールはVORON本体のZ軸やY軸で使用したレールと異なる太さとなっているためプラスチック部品を間違えないようにしてください!

レール部分の固定に使用するボルトはすべて長さが違います。特に一番下のボルトはヒートセットインサートを取り付けてボルトの頭が出っ張るようにします。これはレールからブロックが抜け落ちるのを防止するためです。このヒートセットインサートは最後までしっかり締めこむ必要があります。隙間があるとレールがちゃんとTAPのメイン部分とくっつきません。

一番上のボルトを締めるときは細心の注意を払って作業してください。 裏面にある六角ナットにしめこむ形となるのですがこの部分が3Dプリント部品の構造上メチャクチャ脆いです!!!私はすでに2台ぐらいぶっ壊してますが、初めて組む場合でしかもキット品(ABS部品を出力できる環境がない)となると破損すると誰かにヘルプを頼む必要が出てきます👀。慎重に締めて締めこみすぎないようにしてください。真ん中と一番下はしっかり締めてレールのぐらつきがないのであればとりあえず一番上は最低限の力で留めておいてください。

すべて完成したらとりあえず真っ先にこのTAPメイン部品を2-3個作っておきましょう。

Xエンドストップスイッチをセット

Xエンドストップスイッチを取り付けます。これはタッピングボルトで締めこんでいくのですがボルトの頭を舐めやすいので注意してください。タイラップでメイン部分に配線を固定することもできますが私はやっていないです。

一旦完成

一旦ここまでで今できる作業は完了です!

次の作業はガントリーにベルトを張ってからとなるのでまずはVORON本体の作業に戻ります。

リニアレールのブロックを退避用パーツに移動していると思いますが、脱落したりしないように安全な場所に置いておきましょう。

次の記事

次はガントリーにABベルトを通していきます。といってもあまり文章で説明できることはないですね。。。w

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VORON 2.4 R2 ビルドログ (10 - ガントリーの調整)

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、XYガントリーの各部品の調整を行います。今の状態のままだと角の直角やX軸が平行になっていないなどの問題があるのでそれを修正していきます。

前の記事

前回の記事ではガントリーを吊り下げて3Dプリンターっポイ見た目になるまで進めました。

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動画を見てみる

公式のガイドでも特に文言での説明はなく動画を見るようにとのことです。この記事でもそれを参考にしながら説明してみようと思います。

調整

ガントリーをおおよそ水平にする

調整をする前に、まずはガントリー全体が水平になっていることを確認してください。簡単なのは定規を使ってすべてのX軸部分がフレーム端から同じ高さになっていることです。完全にそろえるのは現段階では難しいのでおおよそでOKです(どうせ完成した後にまた調整することになります👀

まずはY軸方向の動きがスムーズか

とりあえず最初にY軸方向(手前と奥)にX軸をもってゆっくり動かしてみて、最初から最後まで同じ手ごたえで動かせるかどうか確認します。

これは調整後でスムーズに動いています👀

おそらく手前側(ABアイドラー側)に動かす時は特に問題ないかと思うのですが、奥側(ABモーター側)に動かすにつれて手ごたえを感じる場合もあるかもしれません。私の場合はそうなってました!

これを解消するにはXレール作成時に両端につけたプリント部品というかABモーターの部分のボルトを一旦緩めて外側に少しだけ引っ張って拡げます。

それぞれ上下3か所ずつボルトでとまっているので一旦緩めて黒矢印の方向に少し押して位置をずらしてみます。この作業はガントリーを吊ったままでもできます。ずらした後にX軸レールを動かしてみて解消していることが確認出来たらボルトを締めなおしますがまだ仮締めのままにしておいてください。またこの後の調整でいじくるかもしれませんので。

Y位置を最も手前にした時、両端がABアイドラー部品にタッチしているか

とりあえずX軸レールが前後にスムーズに動くようになったらX軸がフレームに対して垂直平行となっているかチェックします。最も手前にX軸レールを持ってきたときにABアイドラー部品に両方タッチしている場合はOKです。

下の画像のように両方同時にくっつかない場合には修正が必要です。

(from:https://www.youtube.com/watch?v=cOn6u9kXvy0)

X軸レールのボルトを緩めて調整

調整方法は簡単で、X軸レールのガントリーと接している部分のプリント部品のボルトを緩め、レールの両端がABアイドラー部品に当たっている状態に修正してから再度ボルトを締めます。

手順通りに組んでいれば現段階ではこの部分のボルト6つは仮締めの状態となっているはずですが、硬くてX軸レールの歪みを修正できない場合は緩めてください。下側のボルトはワッシャーを挟み込んでいるので落下に注意してください。

ボルトを緩めたらABアイドラー部品の方に押し付けるか、歪みを調整できるようにX軸レールを少し力を入れて平行となるように調整します。再度ABアイドラー部品と当ててみて両端がタッチするようであればOKです。これを奥のABドライブ側でもやるのでまだ仮締めの状態でOKです。

Y位置を最も奥にした時、両端がABモーター部品にタッチしているか

同じようにABドライブ部分でも行います。現状おおよそ揃っている状態なのでそこまで大きくずれることはないかもしれませんがうまくタッチできない場合は再度上記の方法で調整してください。

調整を続ける

これを何度か繰り返して手前と奥でタッチするようにしてからX軸レール部分のボルトを本締めして、再度チェックし問題がなければ完了です!

次の記事

次はVORON TAPの部品をくみ上げていきます。VORON公式ドキュメントはTAPではない手順なので一旦TAPのプロジェクトのドキュメントに移ります。

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VORON 2.4 R2 ビルドログ (9 - ガントリーの固定)

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、前回作成したXYガントリーをフレームに固定していきます。一部ちょっと物理的に難しい作業がありますが頑張っていきましょう!

最終的にはこの状態にまで持っていきます。

前の記事

前回はXYガントリーを完成させました。

Z軸の固定

ジョイントの作成

ガントリーと外形フレームのZ軸リニアレールとを固定するための部品を作成します。ナットを埋め込むだけですがホール素子を利用したエンドストップを使う場合はマグネットを追加する必要があるそうです。今回のSIBOORのキットでは普通に機械式スイッチを使うので不要です。

ベルトを固定しながらジョイントを固定

後で吊るすようにベルトの一端を固定します。ベルトの長さですがキット品の場合はベルトを4等分すればOKと思いますが、最低限必要な長さは以下となります。数十ミリ余裕をもって用意しておきましょう。

  • 250 spec1000mm
  • 300 spec1100mm
  • 350 spec1200mm

3Dプリント部品のギザギザしている部分にベルトの歯が食いつくようにセットして、ジョイント部分と一緒に固定します。各パーツのボルト穴が左右で違うのでよく見てセットします。

これを4か所全部のZ軸と接する部分で行います。伸びたベルトが後々の作業で邪魔なので輪ゴムなどで小さくまとめておきます。

XYガントリーを吊る

いよいよガントリーとフレームをがっちゃんこします。結構大がかりで大変な作業なので可能であれば2人以上で作業したほうが楽です。1人でももちろん可能です。

フレーム内にガントリーを知恵の輪的に入れる

ちょっと難しいですがガントリーを傾けながらフレーム内部にガントリーをセットします。X軸を一番奥にやりながらコの字の先端部分を突っ込んでいろんな次元に回転させながらスルリと入れ込む感じです。説明不能です😭

とりあえずフレーム内に収まったら着地させても大丈夫です。

タイラップなどを使ってつるし上げる

以降の作業をするためにはどうしてもガントリーが宙に浮いている状態でないと作業できないので長めのタイラップなどを使用して吊るします。おそらく1本ではいい感じに吊るすことはできないので数本を連結して使う必要があります。

フレームの中間ぐらいに吊るすと上からも下からも作業しやすいです。

フレーム側にジョイントを固定

フレーム側のZ軸リニアレールブロックと、ガントリーの4点を固定していきます。最初に作ったジョイントをブロックのにつけてガントリーのところまで動かし、下からボルトで締結します。

個体差もあると思いますが私の機体の場合はここのボルトが緩みやすいのでしっかりめに締結して1か月に1回ぐらい緩みがないかチェックしています。 ここが緩むとガントリーというかノズルがXY方向にガタガタぶれるので出力したモデルの積層痕がXY方向にうねうね波打っている場合などはチェックしてみてください。

同じ作業を4か所で行います。完了してもまだ吊るした状態にしておきます。

ガントリーの四隅とフレームがうまくつかない場合

最初組み付けようとした時にABドライブ部分とフレーム側のブロック間にある程度隙間があり正常にボルト止めできそうにない状態になっていました。写真撮っておけばよかったです。。。

修正方法は簡単でX軸のフレームとプリント部品を組み合わせた時のボルトを少し緩めて調整すれば解決しました。

正確には手順書的にはまだここは締め付けていないはずなのでブロックへ締め付けた時にいい感じの位置に収まるはずですが、私は強く締め付けていたため変な状態となっていました👀

Zアイドラーを緩めておく

ベルトを張る前にZアイドラーを既定の位置にセットします。Zアイドラーはフレームの4隅にある👀のやつですね。

このアイドラープーリーはZ軸のベルトの張りを調節するためにも使用sれます。ボルトを締めるとプーリーが外側に引っ張られてベルトの張りが強くなります。

張る前にいったんすべて既定の位置にセットしたいので、手順通りに、「外れる一歩手前まで緩めて、そこから4回転分ボルトを締める」という作業を4か所に行います。

ベルトをかける

ではベルトをかけていきましょう!これも言葉で説明するのは難しいので手順書や動画を参考にしてみましょう👀。出発点から下のモーター部分のプーリーにかけて元の位置を超えて上に進み、アイドラープーリーにかけて出発点に戻ってくる感じです。1つやってしまえば構造はつかめると思います。

竹串みたいな細長い棒があると細かなところの作業が楽でした。終点まできてクランプに引っ掛けたら手で引っ張れる力である程度目一杯引っ張りながらボルトを締めて固定します。

最後にモーターのプーリーとアイドラープーリーにベルトの歯がしっかりかみ合っていることを確認して他の3か所も作業を進めていきましょう。

吊るしを解く

すべてのベルトを通したら一旦ガントリーを上に持ち上げてみます。この時にすべて正常にベルトがかかっているならばモーターが動く音をしながらガントリーが上に上がり、手を放してもタイラップに余裕ができると思います。自分で宙に浮けることを確認してからタイラップを切断します。

ここまでくればだいぶ3Dプリンターっぽい見た目になってきました👀。余ったZ軸ベルトの終端はある程度余裕をもって切除しておきます。

次の記事

次回はガントリーの調整(Squaring the gantry)を行います。

VORON 2.4 R2 ビルドログ (8 - XYガントリー完成)

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、前回に引き続いてXYガントリーの作成を進めていきます。

前の記事

前回も同様にガントリーの作成を行いました。

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X軸をフレームに乗せるための部品を作成

X軸のフレーム両端につける部品を作成します。特に難しい箇所はないので手順通りに進めればOKです。

この部分のアイドラープーリーを留めるボルトはプリント部品に直接締めこんでいくのであまり強く締めすぎないようにしてください。締結後プーリーを指で回して違和感なく回るかチェックしてください。

X軸の作成

リニアレールの取り付け

X軸を作成していきますが基本的にはアイドラー部品を作成した時と同じです。リニアレールとフレームの固定方法などに関してはZ軸を取り付けた時の手順を参考にしてください。

このX軸でも同様にレールの取り付けが完了したらフレームとリニアレールブロックをまとめてマスキングテープでぐるぐる巻きにして脱落しないようにしましょう!

X軸に使うレールだけMGN12というちょっと大きめのレールとなっています。

作成した部品の取り付け

フレームにTナットを取り付けて、最初に作った部品を取り付けます。

この部分のケーブルガイドはSB2209等のCAN通信用部品を使用する場合は不要です。今回のSIBOORキットではBigTreeTechのSB2209を使用するので取り付けません(キットにも付属してないです)。

これらの取り付けボルトはすべて仮締めの状態にして置く必要があります。X軸の位置調整をするため後々弄る必要があり、かつ本締めまでして乗せてしまうとY軸の移動をさせた時にフレームをゆがめてしまう可能性があります。

うまく説明できないですが、フレームを組んだ時と同様にガントリーも各所直角と平行を出す必要があります。後々調整していく時にこのボルトを調整しながら行うので現段階では部品が落っこちない程度の仮締めでOKです。

X軸とコの字フレームの合体

合体

いよいよ合体させていきます。最初にコの字フレームのをひっくり返してモーターの部分が上を向くようにします。X軸のフレームをアイドラー部品の方のレールブロックに乗せながらコの字フレームの上にセットします。

X軸両端の部品とコの字フレーム部分のブロックとボルトで締結します。

公式のガイドではこのタイミングでは2つしか締めないとありますが、ここに後々Y軸のエンドストップスイッチをつけるためです。SB2209でCAN通信化する場合はここにつかないので4本とも締めてOKです。ちなみに私は稼働後しばらくしてからココが締結できてないことに気づきました👀。問題なく稼働してたのですがこの辺りが緩み始めて気づきました…

あまりY軸方向に動かさないように

一旦組みあがったらXレールを前後に動かして問題なく動くかチェックしますが、この時一気に端から端まで動かしたりしないようにしてください。おそらく大抵の方はゆっくり動かすとコの字の開いている方に動かすについれてフレームが台形に歪み、モーター側には完全にくっつけることができないと思います👀

この辺りは後程修正する(というか今修正しても結局後で再度調整が必要になる)のであまり動かしてフレームに負担をかけないようにしましょう。

ちょっと後の状態ですが、吊り下げて調整が完了するとこんな感じでスムーズに動くようになります。

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次回は外形フレームにガントリーを吊り下げていきます。

VORON 2.4 R2 ビルドログ (6 - Nevermore v6・ヒートベッド取付)

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、Nevermore v6の組み立て・取り付けとヒートベッドの取り付けです。

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前回の記事ではZ軸ベルトドライブ部分を作成しました。

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Nevermoreの組み立て・取り付け

今回キット品に追加でNevermore v6も合わせて購入しました。これはVORONのチャンバー内の空気を浄化するための装置です。ABSなどを溶かす時に有害な物質が発生するのでそれを活性炭に吸着させて軽減する目的となっています。ネバーモアやネバモアとX上では呼ばれたりしてますね。

活性炭はとりあえず1-2か月に1回交換するようにしています。まだ手元の残りはあるのですが、なくなったらこの辺の活性炭を試してみようかと思います。GEXはアクアリウムやってた頃にはお世話になりましたねぇ。。。

ブロアファンの組み込み・配線

まずはブロアファンをNevermoreにセットしていきます。ファンをセットして留め具を付けますがこれが結構硬かったです。ケースの形のまま押し込めばいいので間違えることはないと思います。

2つともはめ込んだら配線の処理をします。一旦配線のコネクタを切り落として被膜を剥きます。それぞれ赤と黒の線を撚りあわせて並列となるようにしWAGOのスロットにセットします。WAGOの残りのスロットにはOctopus Proへとつなげる用の配線をセットします。この辺は後から作業しようとするとヒートベッドの下になって面倒なので配線の長さは十分とっておきましょう。

こんな感じでWAGOを重ねる形でケースにセットします。この段階でいったん導通テストをしておいた方がいいと思います。マザーボード側に伸ばした配線にテスターを当てて回路がつながっているかチェックします。

問題なければ蓋をセットしますがこれがめっちゃ硬いです。

活性炭を入れる側のケースと、ファン側のケースはマグネットでくっつけます。

Nevermoreの組み立ては一旦完了です。

ヒートベッドの取り付け

次にヒートベッドです。重いので気を付けてください。

洗浄

最初に防錆油が塗られていたり、手の油がついているかもしれないのでIPAや無水エタノールのでよく脱脂します。作業時はニトリル手袋をつけることをお勧めします。

ヒーターは最初からついてた

今回のSIBOORキット品ではすでにヒーターは取付済みで、温度ヒューズもすでに配線内に組み込まれていました。ナイス!

マグネットシート貼り付け

表の造形部分にマグネットシートを張ります。ここにPEIシートなどが張り付くことによってビルドプレートとなります。

スマホの保護シールを貼る時と同じ要領ですが、端っこから慎重に少しずつ気泡を追い出しながら進めていきましょう。ガイドにも動画が挙げられているので参考にしました。

フレームへNevermoreと一緒に取付

プレートの下にNevermoreが来るので先にNevermoreから取り付けます。配線をボトムプレートの穴から下側に逃がしておくのを忘れないようにしましょう。

プレートを設置する時はアルミフレームの橋との間にスペーサーを入れる必要があります。

セットが完了したらプレートとフレーム端からの距離を測定して調整します。

後々いろんなMODを組み込んだ時にベッドを動かすことになりますが、初期セットアップは原点調整などを簡単にするためにとりあえずこの数値を厳守しておきます。修正が必要なときは4点のボルトを少し緩めてずらすことでばらさなくてもOKです。

次の記事

次回はXYガントリーの作成を進めていきます。

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VORON 2.4 R2 ビルドログ (5 - Zドライブ組立)

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、Z軸のモーター部分を組み立て・取付していきます。

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前回の記事では3Dプリント部品にヒートセットインサートを埋め込んでいきました。

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作業

今回から細かいギアやプーリーの作業が増えて作業が本格的(?)になってきます👀

シャフトにプーリーを取り付ける

手順通りに作業していきます。

シャフトにプーリーを組み込み、イモネジで留めます。ケースに組み込んだ時に寸法通りでないと組み込めないのでちゃんと33mm測って取り付けます。

ここでプーリーのイモネジにネジロック剤を塗るように指示されていますがまだこの段階では塗らないでください!後でケースに嵌めてみてちゃんとハマることを確認出来てから塗ります。現段階では動かない程度の仮止めでOKです。

また、このイモネジは小さいので力をかけすぎで舐めてしまわないようにしましょう。可能であれば六角レンチのボールポイントでない方で締めてください。

手順通りにワッシャー、ベアリング、プーリーを取り付けていきます。再度ですがここでもまだネジロック剤は塗りません。

ベルトをかけてケースに組み込む

大きい方のプーリーに輪っかになっているベルトをかけてそのままケースに組み込みます。

最初プーリーの位置がおかしかったり、取り付ける部品があっていないとこの時点できちんとハマりません。再度手順をやり直します。キチンと収まったら手で回してみてベアリングが問題なく回るかチェックします。

ここまでチェック出来たら一旦ケースからプーリー部品を取り出し、イモネジにネジロック剤を塗っていきます。プーリーにイモネジが2個あると思いますが私は両方締まっている状態で切り欠きに当たっている方を外してネジロック剤塗布し締め付け → もう片方を外してネジロック剤を塗布して締め付けとしました。大きい方と小さい方のプーリー両方とも作業が必要です。

再度組み付けるときにベルトを忘れないようにしましょう。

モーターの組み立て

続けてZ軸用のモーターのシャフトにもプーリーをつけていきます。

モーターから10.7mmのところにプーリーの歯が来るようにセットしなければならないのですがぶっちゃけ適当でもいいです。後で先ほど作った部品と組み合わせた時に調整したほうが確実です。ここのプーリーも一旦ネジロック剤は塗りません。

他のパーツも組み付けて、先ほど作った部品と合わせてアルミフレームに取り付けます。まずは左手前の部分から作業します。

最初に作った部品のベルトに滑り込ませるように、モーター部品を取り付けて一旦ボルトで固定します。

ここでベルトとプーリーの位置関係をチェックします。ベルトが斜めになっていないか両方のプーリーの真ん中にベルトを持ってきて両側に余裕があるか等を確認して、問題なければ一旦モーター部品を取り外してプーリーのイモネジにネジロック剤を塗布して本締めしてください。付けたり外したりする作業が多くて面倒かもしれませんが、後々問題が発生するよりここでしっかり確認しておく方が楽なので頑張りましょう👀

再度取り付けた時にここの水色のボルトは仮締めよりも緩い状態にしてモーター部品が動くようにしておいてください。

ベルトにテンションをかける

最後にベルトのテンションをかけるためのテンショナーを装着 → テンションをかける → ボルトを固定していきます。

最後にゴム足部品をつけて一旦完成です。

ギアを手で動かしてみて連動して回るかどうかチェックしてみてください。

アイドラーを取り付ける

Z軸のベルトをかけるための部品を作成します。これは手順通りで簡単ですね。プーリーを吊るすためのボルトはそのまま3Dプリント部品にセルフタッピング的にねじ込まれて行きます。念のためアイドラープーリーとシャフトが接する部分にはシリコングリスを塗っておきましたがなくても大丈夫です。

くみ上げ終わったら向きを間違えないようにアルミフレームの上部に取り付けていきます。最悪向きが間違っててもあとから修正は簡単です。

ところでVORONの部品にはところどころこんな感じの怒り顔みたいな模様がついてますが何なんでしょうね、、、?コメントお待ちしてます👀

最後に

上記手順は1か所部分だけを進めていきましたがZ軸を動かす部分は4か所あるので同じ手順をあと3回リピートする必要があります。一つ一つやってもOKと思いますが面倒だったので最初に1個組み立てて手順を確認してから一気に3つ作っていくのが効率イイかと思います。同じ作業はまとめてやる方がミスも少なくて済みますからね!

次の記事

次回はNervermoreの組み立て取り付けとヒートベッドの取り付けです。

VORON 2.4 R2 ビルドログ (4 - ヒートセットインサート埋込)

こんにちは。たねやつです。

今回の記事では、ヒートセットインサートを各3Dプリント部品に埋め込んでいきます。あまりはんだごてを使用していくのでヤケドに気を付けましょう👀

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前回はリニアレールの取り付けを主に行いました。

工具を準備する

2回目の記事でも取り上げましたが再度ご紹介しておきます。

ヒートセットインサートは基本的にはんだごてで熱しながら3Dプリント部品の穴を溶かしながら埋め込んでいきます。インサートナットの外側はギザギザしていてそこに溶かされたABSなどの樹脂がかみついて固定されるという何とも3Dプリント部品というか樹脂向けのアイテムとなっています。

使用するはんだごてはなんでもOKなのですが温度調整できるものの方が作業しやすいです。高温で一気に押し込むよりもチョット溶けるぐらいの温度でじっくり押し込んでいく方が失敗しないです。私が使っているのはHAKKOのFX600です。Amazon限定モデルのスケルトンの方で平成初期生まれ歓喜な見た目をしています!

コテ先はなるべく太いものを使用するかヒートセットインサート用のものを使用してください。

圧入後に平面を出すために完全スコヤを使用します。樹脂が完全に固まる前にスコヤのごつい部分でプリント部品の表面とスリスリすることによって平面を出すことができます。ネジの向きがずれていると部品組み立て時にうまいことネジがはまらなかったりします。

キット品を購入した場合は十分な数のインサートナットがあると思いますが足りなくなったらAmazonやAliExpressで購入しましょう。Sourcing Guideで指定されているサイズはM3x5mmx4mmとなります。外形部分がはすば状になっているものの方が使いやすい印象です。

対象の部品

以下の部品が対象のものとなります。PDF内を検索してとりあえず拾ってきましたが他にいい方法があれば教えてください。一気に入れたほうが手間かからないですからね。。。

公式ドキュメント内

組み立てに必ず必要な部分だけ抜粋しています。スカート部分等の後からでも問題ない部分は適宜作業してください。

以下の部分は今回の構成(StealthBurner・TapとCAN通信)では使用しません。

この辺は購入当初はSIBOORのドキュメントでも特に説明がなかったので初めて組み立てる民としては難しかったですね。。。

公式ドキュメント以外

VORON本体のドキュメント以外でもいくつか作業が必要な個所があります。

StealthBurner

右側にある青丸で示されているナットは表面ツラツラではなく陥没するまで押し込むようにしてください。あとから組み立てる時に他の部品と干渉する可能性があります。

この右側のナットを圧入する時は3Dプリント部品にコテ先が当たらないように注意してください。

CAN通信の場合は別形状の部品となりますが同じような見た目をしています。

余談ですが今こうやって一つ一つ部品をチェックしているとどれがどのように動作するのかよくわかりますね!

右側の青丸の部分は基本的に不要です。今回使用するSB2209は基板内にADXLセンサーがすでにあるためつけません。 少しでも軽量化するために不要なインサートナットは極力付けない方がいいかもですね。

この部品はVORON TAPを使用するので不要です。次見出しの部品でツールヘッドのマウント部分の作業を行います。

Tap

細かい部品が多いのでやけどしないように気を付けてください。ピンセットやバイスで固定しながらやったほうが無難です。

この部分は不要です。

おそらくこれで全部と思いますが、漏れなどある場合は適宜作業してください🙇

作業

ひたすら埋め込んでいく

では上記の部品にひたすらインサートナットを圧入していきます。基本t系には300度前後の温度で作業しました。そこまで難しくはないですが押し込みすぎると修正が大変なのでちょっとずつ押し込むようにしてください。といっても押し込みすぎてもそこまで問題発生しませんが。。。

貴志産業さんも書かれているように「0.5mm程出た位まで入ったら最後は完全スコヤのゴツい方で押さえて冷やすと綺麗にフラットに仕上がります。」抑えながらスリスリしたほうが個人的には好みの仕上がりとなりました!

最後に

今回はあまり記事の内容としてはないですが、じっくりやってると結構時間のかかる部分でした。ヒートセットインサートは私は初めて使ったのですが想像よりもずっと強度があって自分の自作キーボードケース設計などにも生かせそうです。壁枚数などをちゃんと考えないとフニャフニャしちゃう気がしますね。。。

次の記事

次回はZ軸のモーター部分をくみ上げていきます。

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